霞が関賄賂ブローカー「政官31人接待リスト」の破壊力
NEWSポストセブン / 2018年8月28日 7時0分

霞が関リストラに意欲満々(時事通信フォト)
東京地検特捜部の文科省接待汚職事件捜査が新たな展開を見せた。事件のキーマンとされる政・官界を股にかけたブローカーの「31人接待リスト」が流出し、そこに石破派大幹部の名前があるのだ。
文科省の接待汚職は佐野太・前局長(受託収賄容疑で起訴)が東京医大の補助金申請で便宜をはかる見返りに、同大が佐野被告の息子を「裏口入学」させた前代未聞のスキャンダルだ。そのなかで、特捜部が最も注目しているのは佐野被告と同大側をつないだとして収賄幇助容疑で逮捕された医療コンサルタント会社元役員の谷口浩司被告である。
その谷口被告の「接待記録」として検察筋から流出したのが前述のリストだ。本誌・週刊ポストが入手したリストには文科省、外務省、国交省、厚労省、金融庁、内閣官房の6省庁31人の名前があり、接待汚職で逮捕された文科省の佐野被告、前国際統括官の川端和明被告の名前も含まれている。官僚ばかりのリストの中で唯一人の政治家が田村憲久・代議士だ。第2次安倍内閣で1年9か月にわたって厚生労働大臣を務め、現在は自民党政調会長代理の要職にある。石破茂氏の信頼厚い腹心として知られ、石破派副会長という派閥の大幹部でもある。
9月に迫る自民党総裁選挙では安倍晋三・首相と石破氏の一騎打ちの公算が高い中での流出である。
「検察の独立」を重んじたかつての特捜部には、政界捜査を進めるにあたって国政選挙や総裁選に影響を与えることを極力回避すべきという不文律があった。今回はまるで逆だ。
総裁選の渦中に、安倍首相を利するような対立候補の陣営がからむ“捜査情報”が流出すること自体、政治色がプンプン匂う。ノンフィクション作家の森功氏が語る。
「特捜部の捜査は不可解な方向に向かっている。文科省の汚職事件は『私立大学研究ブランディング事業』の助成金をめぐって起きた。この事業は安倍首相のお友達の下村博文・文科相時代に創設され、助成対象には加計学園の名前も出てくるという伏魔殿です。捜査が東京医大から他の助成先に延びれば政権は打撃を受けるとみられていた。ところが、特捜部はそこまで踏み込まず、逆に安倍政権にとって好都合な政官の接待リストなるものが浮上した。
森友学園を舞台にした公文書改竄事件では、大阪地検特捜部が財務省幹部を軒並み不起訴にして安倍首相を守ることにつながったが、今度は東京地検特捜部が結果的に官邸の先兵の役割を果たし、首相の政敵つぶしの“サポート”をする構図になるのではないか」
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