「3つの山口組抗争」に浮上、「電撃統合」はあるか

NEWSポストセブン / 2018年8月28日 16時0分

〈御通知 現在世間で良からぬ情報が錯綜しておりますが、当 任侠山口組 重大決定事項については、決まり次第即座に皆さんに伝達致します。(中略)今は只、来る九月十二日 任侠山口組 直参 故・楠本勇浩氏の一回忌に向け、日々静かに冥福を祈ってあげて下さい。以上〉

 楠本氏とは、昨年9月、織田代表が襲撃を受けた際に射殺されたボディガードである。神戸山口組傘下組員による犯行とされるが、実行犯は捕まっていない。

「この通達が、一回忌が終わるまでは動かないという意味だとすると、9月以降に改めて動きがあるのではないか、と見られています」(前出・実話誌記者)

◆再統合は苦肉の策

 もし六代目と任侠が合流した場合、苦しくなるのは残される神戸だろう。実は神戸側にも、再統合に向けた動きが起きていた。

「神戸の中でも、『六代目より前に任侠と再統合したほうがいいのではないか』との意見が出て、任侠側への働きかけを始めたようです。ただし、7月27日の執行部会で、井上邦雄組長が再統合に反対し、頑として譲らなかったようだ。自分を批判して出て行った織田代表のことが許せないということなのでしょう。

 それでも、入江禎副組長をはじめ、任侠との連携を画策する一部が『統合が無理なら同盟という形ではどうか』という話を任侠に持ちかけていたと聞く。しかし、任侠はボディガードを殺されている手前、今のところ話が進んでいないようです」(前出・溝口氏)

 いずれにせよ、3団体が再統合に向けた動きを活発化させているのは間違いない。互いに批判を繰り返し、抗争による死者も出してきた暴力団同士が、再統合するなどあり得るのか。フリーライターの鈴木智彦氏は、時代の変化を指摘する。

「かつての山一抗争では山口組が分裂した一和会に対して徹底した報復を行ない、双方に25人もの死者を出す壮絶な抗争の末、一和会を解散に追い込んだ。親子関係が絶対のヤクザにとって、逆縁(組員が親である組長に逆らって出て行くこと)した人間を戻すなど本来なら絶対にあり得ない。

 しかし、今回の分裂騒動では、分裂後に3団体ともが弱体化している。ヤクザの筋を通すより、かつての力を取り戻すために再統合に向けて動いたほうが得だと考えているのではないか。もっとも、こうした水面下の交渉では、完全にまとまるまではあらゆる情報が“何らかの思惑”があって出されたものと考えたほうがいい。自分たちの立場を有利にするための情報戦が行なわれている」

 警察もこの動きを注視しており、「分裂に乗じて3団体の取り締まりを強化し追い込んできた警察としては、再びまとまって一つの巨大な山口組に戻るのが一番困る」(警察関係者)という。

「仁義なき戦い」から「仁義なき和解」へ、3つの山口組抗争は新局面を迎えた。

※週刊ポスト2018年9月7日号

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