遺言書に書いても無効 ペットに確実に財産遺す3つの方法

NEWSポストセブン / 2018年9月20日 16時0分

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ペットに確実に財産を遺せる方法は?(写真/Getty Images)

 近年、日本でもペットに遺産を相続させたいと考える人が増えているという。とはいえ、「猫に小判」とはよくいったもので、猫にはその価値もわからないし、使うこともできない。法律上“モノ”であるペットに、確実に財産を遺す方法はあるのか? 専門家に教えてもらった。

 今年1月、イタリアに住む猫・ジェリーくんが、飼い主の遺産3万ユーロ(約406万円)を相続したと、イタリアの新聞『ラ・スタンパ』が報じた。

 このように、欧米ではペットに自分の財産を相続させることが可能だ。しかし、日本では、ペットに財産を相続させることはできない。

「日本では、法律上ペット(動物)はモノ扱い。そのため、遺産を相続する権利の主体にはなれないのです」

 と、ペットに関するトラブルに詳しい弁護士・杉村亜紀子さんは話す(「」内、以下同)。たとえ遺言書に、『ペットの猫に財産を相続させる』と書いてあっても、法律上そのような記載は無効になるという。

 だからといって諦めることはない。直接ペットに財産は遺せないが、別の方法がある。

「ペットの世話をしてくれることを条件に、世話をしてくれる人に財産を遺すという考え方です。それには、

【1】負担付遺贈
【2】負担付死因贈与
【3】ペットのための信託

という、3つの方法があります」

◆愛猫に財産を遺す方法は主に3つ

【1】の「負担付遺贈」とは、財産を渡す代わりに、猫の面倒を見てもらうことを遺言書に遺す方法。ただし、受け取る側が拒否できるので、遺言書を作成する前に、相手の了解を得ておいた方が安心だ。

「あくまで信頼関係の上で成立するものなので、金銭だけ受け取り、面倒を見てくれないということも。遺言書の内容をきちんと実行しているか確認する遺言執行者も指定した方がよいでしょう」

【2】の「負担付死因贈与」は、贈与者(飼い主)の死亡によって効力が生じる贈与契約のこと。負担付遺贈と違い、“契約”なので、生前にペットの世話をしてくれる人と、世話の内容について細かく決められる。

「贈与を受ける人の了解を得ているので、負担付遺贈よりも、面倒を見てもらえる可能性が高い方法です」

 そして、【3】の「ペットのための信託」は、あらかじめ自分に代わってペットの面倒を見てくれる人や団体に財産を預かってもらい、飼い主に何かあったら、その財産からペットの新しい飼い主や預かり施設に飼育費を支払う仕組み。

「ペットのための信託は、飼い主の死亡時だけでなく、病気や高齢のためにペットの面倒を見られなくなった場合にも利用できるのが特徴です」

 飼い主が死亡した場合、ペットのために信託されたお金は、相続財産とは別に扱われるので、実質的にペットのために財産を遺せるというメリットもある。そういう利点もあり、最近はこのペットのための信託を支援する団体なども増えているという。

「ただし、世話を頼むはずのかたが先に亡くなってしまう場合もあります。そのため、預け先の候補者を複数にしたり、個人だけでなく保護団体などの法人に依頼することも検討しましょう」

 愛猫を残して先に逝くのは避けたいが、こればかりはわからない。せめて残された猫の生活環境を確保しておくのが飼い主の責務である。

※女性セブン2018年10月4日号

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