渡辺淳一氏 日本の婚姻制度は「男女が幸せになる機会奪う」

NEWSポストセブン / 2012年1月2日 7時0分

このほど『事実婚 新しい愛の形』(集英社)を上梓し、北欧やフランスなど、社会的に事実婚を認めている国の例を紹介しながら、日本人の結婚観や婚姻制度がいかに古く、現代を生きる人たちの実情に合っていないか、を説いた作家・渡辺淳一さん(78)。

いま日本では、若い男女の未婚率が、急激に高まっているといわれる。実際に2010年の国勢調査の結果を見ても、男性は30代後半で30%以上、女性では20%以上が未婚だ。当然、少子化も進む。

こうした原因のひとつが、古さをひきずったままの婚姻制度にある、と渡辺さんは分析する。

「これまでの婚姻の制度は“重すぎる”んです。特に若い男性は、結婚したいと思っても、双方の家や親きょうだい、親戚など巻き込んでの一大イベントになり、人生を左右することになると考えると、気が重くなるんです」

一方、ほとんどの女性は結婚によって姓が変わり、会社や銀行などへ改姓の届け出が必要になり、パスポートも変更しなければならない。また仕事の場では「結婚によって、姓が変わりました」という挨拶もしなければならない。女性にはこうした手続きが、「大変なわずらわしさになるのでは」と渡辺さんは思いやる。

「好きになった男と女が結婚し、幸せになる機会を、こんな制度が奪っていると思うと、残念です」

そういえば、欧米の映画やドラマで見るウエディングシーンでは同僚や友人は大勢登場するが、親の存在というのはきわめて薄い。式そのものも、続くパーティーもとても簡素だ。

現在の憲法では、「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」とあるので、実はシンプルで、男女は完全に平等なのだ。

姓については、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と民法にあるので、どちらかの苗字に決めなければならない。そして新しい戸籍を作る。これは戸籍法という法律で決められている。

けれども、世界を見渡すと、日本のように婚姻に関する内容を憲法で扱っているというほうが、珍しいそうだ。男女が恋愛をして、性的に結びつくことに、法律や国家が介入すべきことではない、と考えるからだ。

家族や親族のしばり、さらに法律によるしばり。渡辺さんが指摘するように、男性にとっては重く、女性にとってはわずらわしいことだらけといえなくもない。

「だから、好きになった男と女が、もっと気軽に、より自由に、ふたりの話し合いで一緒に暮らし、子供を産み育てることができる事実婚をすすめるんです」

つまり、婚姻届は出さずに同居生活を送る。したがって夫婦別姓である。

※女性セブン2012年1月5・12日号



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