「日本は超格差社会への道」と指摘する森永卓郎氏が選ぶ3冊

NEWSポストセブン / 2012年1月2日 7時0分

2011年発行本の中から厳選し、2012年を読む【テーマ別書評】。エコノミストの森永卓郎氏が「正しい『経済論』」をテーマに選ぶのは、この3冊だ。

(1)『ショック・ドクトリン 上・下』(ナオミ・クライン/岩波書店)
(2)『サムスン栄えて不幸になる韓国経済』(三橋貴明/青春出版社)
(3)『日本再生を妨げる売国経済論の正体』(上念司/徳間書店)

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リーマンショックで瀕死の重傷を負った投機資金が、その後の金融緩和で息を吹き返し、欧州で大暴れをしている。彼らが過ぎ去った後に残されるのは、福祉が斬り捨てられた弱肉強食の資本主義社会だ。

(1)によると、市場原理主義への構造改革は、惨事に便乗する形で行われる。サッチャー改革、9.11後のブッシュ改革、チリの軍事クーデター後など皆そうだ。その意味で97年の金融危機でIMF管理下に置かれるという惨事に便乗して、韓国で行われた構造改革の結末を伝えているのが(2)だ。サムスンは栄えたが国民は不幸になった。

実は野田内閣も、東日本大震災の惨事に便乗して復興増税や消費税引き上げを進めようとしている。(3)は、その政策の正体と日本経済への影響を分析した好著だ。金融緩和をするだけで円高もデフレも止まり、増税も不要になる。それをしないのは、いまが強者に有利だからだ。日本は間違いなく超格差社会への道を歩んでいる。

※週刊ポスト2012年1月1・6日号



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