大阪桐蔭 最強高校球児の背中を押す「最強の吹奏楽部」秘話

NEWSポストセブン / 2018年10月6日 16時0分

 実際、今夏の甲子園で、大阪桐蔭はグラウンドだけではなくアルプススタンドも「もっとも注目度が高かった」とオザワ部長。一般的に応援曲というと『アフリカンシンフォニー』『サウスポー』や『ルパン三世のテーマ』など定番と言われるものがある。その点、大阪桐蔭の吹奏楽部は少し違っていた。

「『ウィリアム・テル序曲』や『グレイティスト・ショーマン』など、コンサートで演奏するような曲をスタンドで行います。多くの高校の吹奏楽部が応援用の演奏をするのに対して、大阪桐蔭は応援用の演奏はしない。コンサートと同じ感覚で演奏するんです。スタンドゆえ、大音量を最優先しがちなところを、各楽器の音のバランス、音程、ハーモニーを大切にしながら演奏をする。クオリティの高さで聴く者を圧倒しました」(オザワ部長)

 ご存じの通り、大阪桐蔭は甲子園を制覇。つまり、約2週間で決勝を含む6試合で炎天下のなか演奏し、選手を鼓舞し続けた。試合を勝ち続けてきた選手たちもさることながら、同じ試合回数、吹き続けてきた吹奏楽部もまた、自分の限界に挑んだことだろう。驚くべきは、今年の大阪桐蔭の吹奏楽部では、決勝戦とコンサートの日程が被ってしまっていたことだ。

「吹奏楽部でも名門の大阪桐蔭は、どちらかをやめるという選択をしませんでした。どちらもやる。それができる実力とチームワークを持っている学校なんです」(同前)

 8月21日、甲子園決勝当日。吹奏楽部の部員たちは早朝に集まり、午後からのコンサートのためのリハーサルをした。その後、甲子園へ移動。試合の最後まで演奏をやりきり、優勝の喜びを分かち合った。

 余韻に浸る間もなく、大急ぎで尼崎のコンサート会場へ移動。その日のコンサートも大成功を収めた。

 さらに、翌日は名古屋でのコンサート。その後、野球部の凱旋のために学校で演奏を披露すると、その3日後には、関西吹奏楽コンクールの本番を迎え、見事全国大会への出場を決めたのだ。この驚異的なスケジュールを、生徒たちは軽やかにこなし、結果を出した。

 ちなみに大阪桐蔭高校吹奏楽部は、学力向上にも努力を惜しまないことで有名だ。

「熱心な部活動にもかかわらず、高い成績をキープし続ける生徒が数多くいます。昨今の吹奏楽部は封建的な上下関係ではなく、3年生が雑用をやったりして慣れない1年生をフォローしたり、練習時間も短く効率の良さが重視されるようになってきています」(オザワ部長)

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