就活報道 メディアの「かわいそう」は本当にいい加減と専門家

NEWSポストセブン / 2012年1月3日 16時0分

2012年の就活・雇用はどうなるのか。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が新年の展望を語る。

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新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

2012年の展望ですが、今年こそ「就職氷河期」という言葉が死語になって欲しいですね。新卒採用をめぐる求人は回復の兆しがあります。

リクルートが2011年12月に発表した「ワークス採用見通し調査(新卒:2013年卒 中途:2012年度)」によると、2013年卒対象の大学生・大学院生の新卒採用見通しは、「増える」が10.4%、「減る」が6.4%で、「増える」が「減る」を4.0ポイント上回りました。

「増える」と「減る」の差の推移を見ても、2012年卒に続き明確に回復傾向です。25.1%が「わからない」と答えていますし、国内外ともに政治・経済の不安要素を残しており、結果がどうなるかは分かりませんが。ただ、各社のデータでも体感値でも回復傾向が見られるのは確かです。

でも、就職難は解決されるのでしょうか? おそらく解決しないでしょう。現在は「就活格差」時代であり、学生と企業の能力と志向のミスマッチが激しい「就活断層」時代だと私は言い続けてきたわけですが、流行語大賞になった「就職氷河期」ほど、流行らなかったわけですよ。

ただ、この「就職氷河期」という言葉、インパクト十分な言葉なわけですが、メディアは何でも「就職氷河期再来」と報道し、学生も「就職氷河期だから」と自分に同情するわけですが、現実を見て欲しいわけです。求人数が回復し、でも就職できないという状態になったときに、就職氷河期という言葉が死語になることでしょう。

就職難に関する報道は、本当にいい加減です。とにかく若者のかわいそうな状況を伝えようとするわけで。昨年、発表された文部科学省と厚生労働省による平成23年度「大学等卒業予定者の就職内定状況調査(2011年10月1日時点)においても、2012年卒の10月1日時点での内定率は59.9%で過去ワースト2だったと報じました。ワースト2は事実ですが、10年卒、11年と下降を続けた傾向に歯止めがかかり、上昇に転じた方がニュースだと思うのですが、かわいそうな方向でメディアは報道するわけですよ。

そういえば、数年前ですが日本を代表する朝のワイドショーから電話があり、ディレクターに30分、新卒採用のことをイチから教えた挙句、「常見さん、もっとかわいそうなことを言ってくれたら、テレビに出れますよ」と言われたことがありました。ウソはつけないので「断る力(笑)」を発揮しようとしたら、その前に話が流れましたが。

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