相続ルール改正 遺留分の支払いが現金になり問題回避

NEWSポストセブン / 2018年10月19日 7時0分

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相続のルールが大きく変わる

 今年7月に相続に関する民法の規定を見直す改正案が成立、来年1月以降に順次、施行されていく改正民法によって、相続の常識は大きく変わる。

 相続の基本は、等分に分ける法定相続だ。だが、遺言書によって「子供2人のうち、全財産を1人に相続させる」といった指定をすることも可能だ。ここまで“不公平”な相続の配分でも、遺言書自体は体裁に問題がなければ認められる。ただ、遺言によって1円も受け取れないとされた子供から不服が出るのは明白だ。

 それを想定し、法定相続分の半分までを請求できると定めたのが「遺留分」だ。今回の法改正では、この遺留分について、2つのルールが変わった。

 1つは、遺留分は現金での支払いになったことだ。父親(母はすでに他界)が預貯金ゼロで、資産価値4000万円の家だけを残して亡くなり、2人の兄弟のうち、長男に家を相続させる遺言を残していたとする。次男が不満に思い、遺留分を請求した。

 相続人は子供2人なので、次男の法定相続分は2分の1の2000万円。遺留分として請求できるのは、その半分の1000万円だ。相続コーディネーターで夢相続代表・曽根恵子氏はいう。

「不動産が分割できない場合、次男の権利を保全するためには、従来は不動産の共有という方法を取らざるを得ませんでした。しかしこれでは、不動産の大部分を所有しているにもかかわらず、長男が自由に貸したり、建て替えたりすることが難しくなる。

 そこで、今回の改正では、遺留分侵害請求に対して、シンプルに現金で支払いなさいという制度に改められた。遺留分算定の話し合いは必要になるものの、それ以上のトラブルは回避できるので双方の負担は軽減されます」

 このケースだと、兄は不動産すべてを相続する一方、自己資金で1000万円を弟に支払うことになる。

※週刊ポスト2018年10月26日号

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