西城秀樹さん 妻が手記で明かした隠れ脳梗塞の恐怖

NEWSポストセブン / 2018年11月20日 7時0分

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家族の支えが闘病の活力に(美紀さん提供)

「脳梗塞」といえば、「ある日突然、意識を失って倒れる」印象を抱くが、実は「繰り返し発症して体を蝕んでいく」ケースのほうが多いという。

 今年5月に、63歳という若さで亡くなった西城秀樹さんは、精力的な歌手活動の陰で17年間にわたって脳梗塞と闘っていた。闘病を支えた妻・美紀さん(46)の告白には、脳梗塞の恐さと治療に向き合ううえで大切なことが詰まっている。

◆「舌のもつれ」ほか些細な前兆

「いきなり意識を失って倒れる脳梗塞は、体内の血管でできた血栓が血液にのって運ばれて、脳で詰まったときに起こりますが、これは脳梗塞のなかでは比較的珍しい症状です。

 実際に多いのは、『隠れ脳梗塞』。自覚症状がないまま何度も繰り返し発症することで深刻なダメージをもたらします」(くどうちあき脳神経外科クリニックの工藤千秋医師)

 隠れ脳梗塞の恐さが克明に綴られた一冊がある。秀樹さんの妻・美紀さんが17年間にわたる闘病生活を記した『蒼い空へ 夫・西城秀樹との18年』だ。

 秀樹さんが脳梗塞だと報じられたのは、2003年と2011年の2回だった。だが、著書では、秀樹さんが8回にわたり繰り返し脳梗塞を発症していたこと、その原因が若い頃からの持病だった「糖尿病」にあったことが初めて明かされている。著書にこう綴られている。

〈これで、完全復帰へと向かっていくだろう、そう希望が見えてきた、2013年1月。しかし、なんとまたここで検査によって隠れ脳梗塞が見つかり、8回目の入院をすることになります。この時も点滴で治療しましたが、本人にも自覚がないというより、もうずっとこの症状に慣れてしまった、というのが近いのかもしれません〉(同書より)

 美紀さんが語る。

「ずっと表に出さなかったことを明かす葛藤はありましたが、ファンの方々に病状をお伝えするとともに、少しでも同じ脳梗塞に苦しむ方々やそのご家族の参考になればという思いがありました」

 脳梗塞で命を落とす人は年間約6万5000人(厚労省「平成27年 人口動態統計」)。糖尿病も、患者数が1000万人を超えるとされる“国民病”だ。

 秀樹さんのように脳梗塞を繰り返し発症するケースが厄介なのは、症状に気づきにくい一方で、重篤化するリスクが高くなるから。

「隠れ脳梗塞は、自覚症状がないままCT検査やMRI検査で見つかるケースが多く、医学的には『ラクナ梗塞』と呼ばれます。

 隠れ脳梗塞は、気づかないほど軽い症状であることが多い。治療を施す場合も、血液をサラサラにする薬を1週間ほど服用し、一時的に症状を解消させます。しかし完治したわけではなく、梗塞を起こしやすい状態は変わりません。繰り返し発症して脳のいたるところで血管が詰まり、大きな発作を招くのです」(工藤医師)

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