安価なガイガーカウンターを被災地に! 地元中小企業の奮闘

NEWSポストセブン / 2012年1月28日 16時0分

原発事故後、全国で放射線線量計の需要が急増したが、そのほとんどが海外製品。しかも、すぐに品薄状態となり、価格が高騰したことはよく知られている。そんな中、「ガイガーFUKUSHIMA」と名づけられた線量計が話題を呼んでいる。

国産でありながら低価格という点だけでも注目に値するが、驚くことに中心となって開発したのは原発事故の被害を受けた当事者である福島県内の板金加工メーカーだという。“畑違い”の中小企業が、なぜ線量計の自社製造を目指し、どのようにして製品化を実現したのか。その挑戦をフリーライターの池田道大氏が取材した。

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福島第一原発から西へおよそ60km、雄大な安達太良山の麓に広がる福島県大玉村。ここに工場を構える板金加工メーカー・三和製作所(斎藤雄一郎社長)が開発・製造し、昨年11月末に発売されたのが「ガイガーFUKUSHIMA」である。既に6000台を超える注文が殺到し、予約受付が一時停止されるほどの盛況ぶりだという。

まず目を引くのは、価格の安さだ。同程度の機能を持つ従来品の多くは約3万~5万円するが、同社の表示画面一体型は1万8800円(税込み)、iPhoneに接続するタイプは9800円で、毎時0.04~約400マイクロシーベルトまで測定できる。時間当たりの空間放射線量に加え、その値を年換算した値も推計可能だ。高エネルギー加速器研究機構(つくば市)の協力を得て、精度を確認している。

線量計と縁のなかった斎藤社長を動かしたのは、“地域が壊滅する”という危機感だ。

原発事故から約1週間後、一時避難先から村に戻った斎藤社長は汚染度を確認しようとしたが、需要が急増した線量計は1台5万~10万円以上にまで高騰した上、品薄で手に入らない。ようやく知人に借りて近辺を計測すると測定限界値の9.99マイクロシーベルトを簡単に振り切った。同じ頃、周辺自治体の発表する放射線量は2~5マイクロシーベルト程度だった。斎藤社長はこう説明する。

「自治体が発表する数値は庁舎3階ほどの高さで計測していたりして、全く信用できなかった。そのため、目に見えない放射線への恐怖から、子供を連れて避難するお母さんもいた。このような状況が続き、避難した住民が戻ってこなければ、やがて村が廃れてしまう。もし手元に線量計があればリアルタイムで計測し、対策を立てることができる。ここで暮らす人や避難先から戻ってくる人のために、安価で使いやすい線量計は不可欠です。ならば、人任せにしないで、自分たちで福島の実情に合った製品を作ろうと思ったんです」

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