秋篠宮「大嘗祭」発言 慎重さ欠く、一石投じたなど賛否両論

NEWSポストセブン / 2018年12月10日 7時0分

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皇太子は秋篠宮の言葉をどう聞いたのか(写真/JMPA)

 国の次年度予算案は例年「天皇誕生日」(12月23日)前後に決定される。来年に迫った今上天皇の退位と、新天皇の即位に伴う重要な予算編成作業が大詰めを迎えた平成最後の年の瀬、その中心の役割を担うべき宮内庁の存在意義が問われる事態が出来(しゅったい)した。

 発端は、秋篠宮の誕生日会見での発言だ。

「言ってみれば(宮内庁長官が)話を聞く耳を持たなかった。そのことは私は非常に残念なことだったなと思っています」

 秋篠宮は2019年11月14日に執り行なわれる「大嘗祭(だいじょうさい)」の費用について、「宗教色が強いものについて、それを国費で賄うことが適当かどうか」と疑問を呈し、皇室の私的な費用である「内廷会計で行なうべきだと思っています」と踏み込んだ発言をした。その考えに対する宮内庁側の反応を、先の言葉で表現したのだ。

「御代がわり」の後、皇太子待遇の「皇嗣」となる皇族が、宮内庁長官を名指しで批判するのは異例中の異例と言っていい。

 山本信一郎・宮内庁長官は直後の会見で「そのようにお受け止めになったのであれば、申し訳ない」と謝罪したが、たちまち賛否両論が巻き起こった。

「秋篠宮殿下のご発言は少々慎重さを欠いていたのではないか」

 そう指摘するのは神道学者で皇室の歴史に詳しい高森明勅氏だ。

「大嘗祭は天皇一代に一度きりの重要な祭祀であり、皇位継承に関わる公的・国家的行事の性格が強い。したがって、その費用をどうするかは国政が判断すること。皇族が国政に口を挟んでいるように受け止められるのは決していいことではない」

 一方、秋篠宮が「あえて一石を投じた」という見方もある。皇室ジャーナリスト・神田秀一氏が語る。

「今上陛下は宮中祭祀をとても重視されてきました。同時に、皇室行事は質素にという思いが強い。しかし、“当事者”である立場上、大嘗祭について発言するわけにはいかない。皇太子殿下も同様です。宮内庁がしっかりと舵取りをしてくれない状況で、陛下のお考えをよく理解されている秋篠宮殿下があえて物申されたのではないか」

 大嘗祭は新天皇が「即位の礼」の後、最初に行なう新嘗祭(収穫祭)のことを指し、皇室の最も重要な祭祀のひとつとされる。

 皇居・東御苑には黒木造で草葺き屋根の大嘗宮が造営され、そこに全国の五穀や絹布などさまざまな収穫物を納め、祭祀が終わればただちに取り壊される。

 30年前の平成の大嘗祭は皇室の公的行事に使われる「宮廷費」から約22億5000万円が支出された。政府は来年の大嘗祭でも前例を「踏襲する」と閣議で口頭了解(今年4月3日)している。秋篠宮が苦言を呈したのは、その点だった。

※週刊ポスト2018年12月21日号

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