警察庁が作った天下り斡旋会社代表「何の問題もないだろ!」

NEWSポストセブン / 2012年1月31日 7時0分

官民癒着をもたらし、雇用確保のために作られた外郭団体は国民の血税を吸い上げる。官僚組織“最大の病理”であり、国家喫緊の課題が「天下り撲滅」だ。しかし、今も官僚たちは“法の網”をかいくぐり、天下りを行なっている。 “法と秩序の番人”たる警察庁も、「天下り斡旋ダミー会社」を秘密裏に設立していた。ジャーナリストの青木理氏がレポートする。

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公務員の天下りについて、2007年6月の通常国会で、各省庁によるOB天下りの斡旋を禁ずる改正国家公務員法が成立した。また、内閣府に「官民人材交流センター」を設置し、国家公務員の再就職斡旋をここに一元化することも決められた。これにより、2008年12月のセンター設置から、各省庁が天下りや渡りを斡旋する行為は、最高で懲役3年の刑事罰を科される明確な違法行為となっている。しかし、その“法の網”かいくぐる重大な疑惑が浮上した。

東京・千代田区の平河町に〈株式会社サン綜合管理〉という会社がある。同社の法人登記簿によると、現在同社の代表取締役に就いているのは人見信男氏。東大法学部を卒業して1972年に警察庁入りし、奈良県警本部長や警視庁副総監やなどを歴任した人物である。そればかりでない。同社の役員は、既に退任した人物まで含め、人見氏以外も全員が警察官僚OBで占められていた。

登記簿をめくると、同社の設立日は2008年4月8日と記載されている会社の目的欄は次のように雑多な項目が列挙されていた。

〈不動産管理及び賃貸事業、経営コンサルティング事業、食品・酒類・書籍などの物販……〉

ところが、会社設立から半年にも満たぬ2008年9月1日、当初の警察官僚OBに代わって人見氏が代表取締役に就き、同時に登記上の目的欄に突如、次のような一項が追加されたのだ。〈職業紹介事業〉

警察庁の内情に詳しい関係者が驚くべき話を訊かせてくれた。

「現在は国家公務員OBの再就職―いわゆる『天下り』を中央省庁が斡旋する行為は法的に禁止されています。でも、役所としては斡旋や調整をしないわけにいかない。警察庁は民間のダミー会社を設立し、そこを通じて斡旋をやることにしたんです。それが『サン綜合管理』という会社です」

別の警察庁関係者も、こう打ち明けた。

「もちろん実際の斡旋や調整は(警察庁の)長官官房人事課の意向に則ってやるわけだけれど、あくまでも民間の会社という建前を押し通せば、違法行為ではないと言い逃れることができる。人見さんは警察庁で人事課長もやっていて、天下りやOB人事のウラもオモテも知り尽くしてるからね。まさに適任だということで、白羽の矢が立ったんだろう」

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