【法律相談】激務でもバイトは賞与ナシ 請求してもよいか

NEWSポストセブン / 2019年1月11日 7時0分

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バイトでも賞与がもらえるか

 労働者がマジメに働くモチベーションは、それなりの見返りがあってこそのもの。一生懸命働いたのにボーナスを貰えなかった場合、請求してもよいか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 新年を迎えても、釈然としません。昨年の夏、日本は酷暑に見舞われ、家電店でアルバイトをしていた私はクーラーの取り付け作業と修理で大忙し。そこで店側にボーナス的なものがほしいとお願いしたら、「契約書に明記されていない」との理由で却下。悔しいので、もう一度、店に請求しても問題ないですか。

【回答】
 賞与は夏冬に支給される一時金で、普通は就業規則に規定されています。求人票や就職時に交付される労働条件通知書にも、賞与の有無は明記されているはずです。賞与支給が、労働条件として合意されていなければ、店側に請求できません。あなたが「ボーナス的なもの」を要求することは、もちろん交渉としてできますが、これは労働条件の変更を求めることになりますから、店側が変更を拒否しても違法ではありません。

 店に正社員がいて賞与を貰っていても、賞与は月給の補足的要素があり、長期間勤務し、店側の幹部になることを期待される正社員とアルバイトに違いがあっても、やむを得ません。ですが、繁忙期にまったく同じ仕事をしているのに、正社員にだけ繁忙手当などの一時金の支払いがある場合には、アルバイトであるゆえの不合理な差別として法的問題になります。

 そのようなことがなければ、裁判所に訴えても、アルバイトにも一時金を支払う慣行があることの証明ができない限り、請求は認められません。

 労働条件の向上が目的ですから、単独で交渉できないときは労働組合を結成するか、一般労組に参加し、一時金支給を求める団体交渉を求める方法があります。こうした手続きを取った上で、回答いかんでストライキを含む、争議行為に打って出ることも検討できます。

 ただし、その場合には店側が、あなたひとりくらいでは痛痒を感じないかもしれないので、同僚アルバイトの糾合が望ましいといえます。正当な争議行為は違法性がなく、不利益扱いはできません。ただ、アルバイトの期限到来時には継続雇用が難しくなる可能性もあります。働き手不足の世相を理解できない店とは縁を切り、合理的な労働条件の職場を探したほうが得策でしょう。

【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2019年1月18・25日号

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