前澤社長が援助した3才児の両親「不公平という声もわかる」

NEWSポストセブン / 2019年1月24日 16時0分

 歩さんが当時を振り返る。

「風邪が悪化して気管支炎か肺炎になったかな、ぐらいに思っていたので…説明を受けた時はショックで涙も出なくて、まるで他人の話のようでした」

 集中治療室に緊急搬送されたおうちゃんの小さな体には10本もの点滴がつながれ、顔には人工呼吸器がセットされた。医師からは、「心臓移植しか助かる道はないかもしれない」と告げられた。

 その夜、帰宅した歩さんは、ベッドで泣き崩れた。

 それから、おうちゃんと家族の闘いが始まった。歩さんは24時間おうちゃんにつきっきりになった。病室の狭いソファで眠るが、おうちゃんの病状がいつ急変するかわからず、充分な睡眠はとれない。自宅に残されたおうちゃんの兄(6才)は「お母さんがいない」と泣く。良太さんは兄を抱きしめるしかできなかった。

 おうちゃんは、投薬などの内科的治療では充分な効果が得られず、2016年10月に小児用補助人工心臓をつける決断をした。心臓に血液を循環させるため長さ2mの管を2本つなげるのだが、おうちゃんの“世界”はその2mのみに制限された。補助人工心臓をつけた後も、おうちゃんは日々命の危険にさらされている。

「以前よりは元気になりましたが、人工心臓に血栓ができて脳梗塞になる危険と常に隣り合わせです。血液をサラサラにする薬を使うので血が止まらなくなるリスクもある。ちょっと転んだだけで命にかかわるので、片時も目が離せません」(良太さん)

 一刻も早い心臓移植が必要だが、国内での心臓移植は難しい。2010年、改正臓器移植法が施行され15才未満の臓器提供が可能になったが、それでも6才未満では8年間で10例しかない。海外では医療費や渡航費などが必要で、おうちゃんの場合は総額3億5000万円が必要となる。

 夫婦は2年間国内のドナーを待ち、昨年アメリカでの心臓移植を決意した。

「旺典は病室以外の景色をほとんど知りません。お友達と会えるのは、リハビリで病院の廊下を歩く時だけ。風が吹いただけで怖くて泣いてしまいます。病院食しか食べないので、食事の楽しみも知りません。

 普通の3才児なら、多くの言葉を話して親とコミュニケーションをいっぱいとる時期です。旺典はようやく“おかあやん”と言えるようになったぐらい。それでも私をそう呼んでくれて涙が出るほどうれしかった。できることなら、旺典に病院以外の世界を見せてあげたい」(歩さん)

 おうちゃんは準備が整い次第、アメリカへ渡る予定だ。

※女性セブン2019年2月7日号

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