マツダ・丸本明社長に聞く西日本豪雨復興と広島カープ

NEWSポストセブン / 2019年2月22日 7時0分

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昨年6月に第16代社長に就任した丸本明氏(撮影/山崎力夫)

 トヨタ、日産など自動車業界に下方修正が相次ぐなか、マツダは2月6日に発表された第3四半期決算では通期営業利益見通しを100億円上方修正した。同社の強さの源をたどると、創業の地である広島の文化が深く根付いていることに気付く。経済ジャーナリストの福田俊之氏が、昨年6月に第16代社長に就任した丸本明氏(61)に訊いた。

──昨年は就任直後に地元・広島が西日本豪雨に襲われました。そのため国内生産は3割減となり、損失額は約280億円とも言われている。

丸本:広島の本社工場などの操業を一時停止することになり、被災された地域や取引先への支援活動をどうするべきか、時間がない中で悩みながらも会社としての基本的な考え方を示さなければならなかった。社長として最初の大きな試練でした。

 そこで感じたのは、リーダーの言葉の重みです。

 社長になる前は言いたい放題を言っても周りは聞き流してくれたが、今はそうはいかない。愚痴やボヤキでも、それが指示になってしまう。リーダーというのは、自分自身のカラーを出すことも重要ですが、それ以上に役者のように自分の振る舞いを意識し、社員の士気を高めていかなければならないと感じています。

 特にマツダは、広島で生まれ、育ててもらった企業です。先ほど世界的に見れば決して大きな企業ではないと話しましたが、一方で地元の経済への影響力は大きい。

 地元・広島がどんなヘリテージ(伝統)を持っているのかと考えると、一つは鉄鋼から造船、そして自動車というモノづくりの歴史です。

 もう一つは挑戦する精神です。モノづくりもそうですが、原爆投下、そして終戦から想定を超えるスピードでの復旧・復興を成し遂げた力強さがある。今回の西日本豪雨でも、人と人との繋がりを大事にする文化を強く感じました。

──それはマツダスタジアムでの広島カープの応援風景を見ていてもよく分かります。

丸本:昨年のカープはリーグ3連覇、惜しくも日本一は逃しましたが、チームとファンの一体感は日本一です。

 マツダも人と人の繋がりを重視しながら顧客と強い絆で結ばれるブランドになるように頑張りたい。

 広島、そして日本の代表として、今後も日本の美を意識したデザインであり、クラフトマンシップを求めていく。ボルボがモノづくりで北欧・スウェーデンを代表しているように、規模は小さくてもクラフトマンシップで「日本にはマツダがある」となるのが理想ですね。

●まるもと・あきら/1957年、広島県生まれ。慶應義塾大学工学部(現在の理工学部)卒業後、1980年、東洋工業(現在のマツダ)入社。1999年に取締役となり、常務執行役員、専務執行役員、副社長執行役員などを歴任。2018年6月より代表取締役社長兼CEO。

聞き手■福田俊之(経済ジャーナリスト):1952年、東京生まれ。経済誌編集長を経て、1999年からフリーとして自動車業界を中心に取材。著書に『最強トヨタの自己変革』など。

※週刊ポスト2019年3月1日号

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