原発近くの食堂 営業しない方が東電の補償多いが営業続ける

NEWSポストセブン / 2012年2月27日 16時0分

 かつて東京と仙台を結ぶ太平洋海岸側の幹線道路として国内屈指の交通量を誇っていた国道6号線。その南相馬側のほぼ境界線上に食堂を構えるのが「花園ドライブイン」だ。うどん400円、みそらーめん600円。かつては日本中の運転手が訪れ、一日700人は当たり前だったという。

 同店の二代目代表・石崎祐一氏が語る。

「この辺は他に店が開いてないから。今は地域の人に利用してもらってます。原発作業員の人は食事が弁当だから来ないけど、下請けの人は時折くる。最初の頃は軟禁状態で作業していて辛かったとこぼしてました。

 警察の人も大変だよね。24時間勤務で検問してるんだ。最初の頃はトイレもなくて外でやってたんだよ。可哀想だからうちを使ってくださいって。昼時なんかはけんちん汁を差し入れたりもした。そしたら県警の本部長が来て、感謝状とかもってくるからね、『いやいや、頑張ってるのはあなたたちだから。それよりもトイレもない所をなんとかしてやってくださいよ』と」

 店を再開したのは4月12日のことだった。営業時間は8~24時から11~15時に短縮。売り上げは以前の3割ほど。今年1月までで数百万円の赤字を抱える。

「何のために店をやってるのか……考えることもあります。この土地の評価額はゼロになった。東電の補償だって営業を完全に休んでゼロにしたほうが額は多い。でもね、それで仕事をしないのはやっぱりおかしいよ。店を移転させることも考えたけど、家族と話したらやっぱりここでやりたい、となった」

 その理由について尋ねた。すると石崎氏は強い口調でこういうのだった。

「だってまだ人は住んでるだろ。それに20km圏内の復興のためにも、この道に明かりを灯し続けないといけない。店とかやってないと、この先、人も戻ってこないからさ」

※週刊ポスト2012年3月9日号



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