質の低い銀歯使って高い治療費請求 悪徳歯医者の手口

NEWSポストセブン / 2019年3月13日 11時0分

「危ない銀歯」を埋められていないか(撮影/岩澤倫彦)

 何度も歯医者に通い、削って、詰める──虫歯治療は患者にとって時間もカネもかかる。しかし、その虫歯治療の主流をなす「銀歯」をめぐり、一部の歯医者が患者の信頼を裏切るような治療を行なっている。『やってはいけない歯科治療』著者でジャーナリストの岩澤倫彦氏が、静かに広がっている危機をレポートする。

 * * *
◆発がん性の指摘も

 これからあなたが虫歯の治療を受けようとしていたら、ぜひ注意していただきたい。粗悪な銀歯で治療される恐れがあるからだ。

「患者さんに黙って、『ニッケル・クロム合金』や『銀合金』が、銀歯として使用されています。それが口腔内で、どのような影響を及ぼすかお分かりですよね? どうすることもできず、心苦しい限りです」

 こう内実を明かすのは、銀歯を製作している歯科技工士だった。保険診療で一般的に使用される「銀歯」は、金12%、パラジウム20%、銀40%以上を含む、金銀パラジウム合金=通称「金パラ」を指す。それが、「ニッケル・クロム合金」や「銀合金」が使われるようになった理由は、「価格差」にある。

 大臼歯(奥歯)をクラウン(被せ物)で治療した場合の診療報酬額は、金パラで「9670円」。このうち金属代は「5130円」を占める。それがニッケル・クロム合金では「4640円」の診療報酬のうち、金属代は僅か「100円」。銀合金では「5030円」のうち、金属代は「490円」でしかない(患者負担は1割または3割)。

 治療費が安い方がいい、と思う人もいるだろうが、患者にとって無視できないデメリットがあるのだ。

 ニッケル・クロム合金は極めて硬く、噛み合う歯に深刻なダメージを与える場合がある。また、金属アレルギーが起きやすく、口腔内にガルバニー電流(*注)を発生させる要因にもなる。さらに発がん性を指摘する専門家もいる。

【*注/口のなかに2種類以上の金属がある場合、唾液を介して接触して微弱な電流が流れることがある。不整脈、頭痛などの原因になるリスクがある】

 銀合金は逆に柔らかすぎて、耐久性が低い。長期間経過すると、黒ずむ場合がある。いずれも保険診療で認められている金属だが、安い以外にメリットはない。

 本来、最適な歯科用金属は金やプラチナの合金とされるが、費用が高い。そこで安いパラジウムを混ぜた代用金属の「金パラ」が、日本で独自に開発された。臨床経験が長い歯科医・坂詰和彦氏はこう指摘する。

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