日本はLNGバカ高購入 日本の電力事情知るカタールがふっかけた

NEWSポストセブン / 2012年3月20日 16時0分

 原発停止により、発電の主役となった火力発電だが、イラン危機により燃料である原油やLNGの価格高騰が危惧されている。さらにイランによるホルムズ海峡封鎖が現実となれば、中東のカタール産LNGへの依存度が高い中部電力などは火力発電による電力が不足し、原発を再稼働せざるをえないといった「イラン危機で脱原発がふっ飛ぶ」説が出始めた。それらの問題の裏に何があるのか。エネルギー・環境問題研究所代表の石井彰氏が、以下のように解説する。

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 年明け1月25日、国際通貨基金(IMF)は次のような報告書を公開した。対イラン制裁により、「原油供給の代替がなければ、原油価格が20~30%上昇する可能性がある」。さらに、これは「第1次石油危機による供給混乱に相当」するとし、ホルムズ海峡がイランに封鎖されれば「より大きな価格高騰の引き金になる」と指摘した。

 原発推進論者や電力会社、経産省はこぞって、「原子力をすべて火力に置きかえると、燃料費は年間3兆円増える」「電気料金値上げやむなし」と言い、「イラン危機によって今夏、停電の恐れがある」「だから再稼働へ」と煽る。

 だがこれは、針小棒大な物言いであると私は考える。

 確かに、現在の火力発電の中東依存は25%以上である。ホルムズ海峡が封鎖されれば、石油価格準拠の天然ガスの価格高騰は避けられず、絶対量も足りなくなる。今のままではアウトだろう。しかし、資源の調達方法、調達先を変えるだけで、危機はいかようにも回避できるのだ。

 具体策について論じる前に、まず、世の中に広まっている誤解を解いておきたい。

 世間一般では、石油価格の値上げ=火力発電所の稼働費の上昇、と考えられているが、これは誤りだ。実は2度のオイルショックを受けて、1979年に国際エネルギー機関(IEA)は先進国での石油火力発電所の新設を禁止している。

 現在もこうした石油火力発電所はあるが、どれも1979年以前に建設されたものだ(東日本大震災を受けて、こうした発電所もフル稼働している)。

 現在、日本の火力発電所は主に何を使用しているのか。LNG、液化天然ガスだ。確かに、天然ガスの価格も、大震災以降、上昇した。だが、そこにはカラクリがある。

 日本の電力会社は、近年、原発へのシフトを強めていた。ゆえに、天然ガスによる火力発電を重要視してこなかった。安定供給されればよいとの発想から、石油メジャー等としか取引せず、原油価準拠の価格設定をしていた。

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