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165.7万ha -アベノミクスで農業革命!

プレジデントオンライン / 2013年12月17日 10時45分

米の作付面積の割合

日本のコメが、大きな岐路に立っている。大詰めを迎えたTPP交渉をにらみ、政府は1970年から40年以上続いてきた生産調整(減反)政策の廃止を決定した。5年後をめどに、行政が示す生産数量目標に頼らなくても、自主的に経営判断してコメを作れるようにするという。

この動きを、農業の現場を取材する専門紙の記者は「生産調整の結果、30年前は約230万haあった水田の約3割が減った。それによって、国内の米価は維持してきたものの、TPPなどの議論もあり、もはや限界に達したということだろう。政府としては、ここでコメ政策を転換し、主食のコメを自由競争の世界に任せることにしたと考えていい」と説明する。

とはいえ、その間の農家の所得にも配慮せざるをえない。そこで政府が示したのが、主食用米の交付金は段階的になくしていく一方で、主食用米の作りすぎで米価が急落しないように、作付面積(165.7万ha)の1割に満たない米粉用米や飼料用米などに転作した農家には補助金を増やすことだ。つまり、主食用米以外のコメを作付けすることによって、価格の暴落を抑えるという考え方といえる。

しかし、主食用米の需要は漸減しており、今後は米価も下がると見られる。前出の記者は「米政策には産業振興と地域振興の2つの側面がある。コメを安く手に入れたい流通業界、消費者の意向に傾きがちな安倍政権の舵取りに、疲弊する地方の不安は増している」と話す。バランスのいい国土の発展を見据えた農政が必要だ。

(ジャーナリスト 岡村 繁雄 ライヴ・アート=図版作成)

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