ニートの子:小学校から私立→就活失敗で6000万円超 -人生後半戦の収支決算、徹底シミュレーション【5】

プレジデントオンライン / 2014年2月26日 10時45分

オール私立vsオール公立、その差2800万円!(※畠中雅子氏監修)

年金3割減に消費税30%。家計を襲う最悪のシナリオは、そこまで迫っている。それだけでない。ニートの子供、長生きな親……老後の生活設計を狂わせる「7つの大敵」の攻略法を検証する。

■教育費に太っ腹な家ほど危ない!

たとえ家計にゆとりがなくても、優先的に出しているのが教育費だろう。親が中学受験にあまり前向きになれなくても、「友達が行くから」と子供が塾に行きたがれば、認めないわけにはいかない。小学4年生くらいなら、月々の塾代もさほど高額ではないというが……。

「そこに罠があります。先行きを考えず、何となく塾通いを始めて痛い目にあう人が多いのです」

と警告するのはFPの畠中雅子氏だ。実は学年が進むごとに塾の授業料や模試、長期休暇の勉強合宿など費用が急上昇し、小学校6年生では、年間の費用が100万円近くに上るという。この時点であわてて塾をやめようとしても、塾側は「これまでの教育投資が無駄になります」と引きとめ、子供も「やる気」になっている。

「私立の中高一貫校に通わせると年間100万円程度かかるため、学費が格安な公立の中高一貫校への進学を望む親も増えています。しかし、競争率が高く、結局、中堅の私立へ進むパターンも少なくありません」(畠中氏)

子供1人を中学から私立に通わせるなら、世帯年収は最低700万~800万円、子供2人なら1000万円はなければ難しい、と畠中氏はいう。また、これからはますます英語力が必須だからと、高校や大学時代に留学させるとなると、学費+生活費で年間300万円はかかる。数年間の留学なら、さらにコスト高だ。

それなら、奨学金を借りてでもいい教育を受けさせたいという親もいるだろう。が、ここにさらなる罠がある。奨学金を子供自身に返済させる計画だったのに、就職難で仕事に就けないケースが増えている。その結果、親が返済せざるをえない状況に追い込まれ、老後資金に影響が出ることもあると畠中氏は指摘する。

「教育費がかさみ、慢性的に家計が逼迫している家庭は多い。しかも、“教育費に糸目はつけない”という家庭で育った子供ほど、ニートになりやすい傾向があります」

子供が小さい頃から、親が家計の状況や生活設計などをある程度伝えていると、子供は親にできるだけ負担をかけないよう行動するようになる。しかし、「お金のことは心配しなくていい」と親が太っ腹な態度をみせると、子供の金銭感覚が麻痺し、親の脛をかじり続けることに罪悪感がなくなってしまうのだという。

畠中氏は以前から、40代以上のひきこもりの子供がいる家庭の家計相談を受けている。「中年ニート」になっても、親は子を放ってはおかないという。結局、ご飯を食べさせ、小遣いをやり、携帯代やインターネット代、国民年金などを代わりに支払う。これらが月に5万円かかったとすると、1年で60万円。大学卒業後40年間、面倒を見続けた場合、その額は2400万円にも上る。畠中氏は言う。

「お金についての教育を行うのも親の役割。子供をニートにさせない一番の近道です」

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畠中雅子
ファイナンシャル・プランナー、生活経済ジャーナリスト。『お金のきほん』『高齢化するひきこもりのサバイバルライフプラン』など著書多数。

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(フリーランス編集者/ライター 大塚 常好)

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