学生人気企業ランキング2014
プレジデントオンライン / 2014年3月5日 8時45分
今、大学生が一番働きたい会社はどこなのだろうか。いくつかの主要有名企業の10年の推移とともに、今年の傾向を追う。
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■昨年と今年で、志向ががらりと変化
今年のランキングの上位を見ると、昨年とかなり色合いが違うことに気づく。業績好調だった総合商社や銀行といった手堅い企業の躍進が目立った昨年と比べ、今年は1位にJTBグループ、2位がオリエンタルランド、3位がANA、4位以下10位まで見ても、JAL、JR東日本、H.I.S.といったサービス業に人気が集中した。
「朝日学情ナビ」の乾真一朗氏が「今年は明らかに就職氷河期からは抜けた、といえる状況です」というように、各企業とも採用予定数は上昇傾向にある。そんな景気の浮揚感からなのか、旅行や運輸、レジャー施設といった、大学生にとって身近な会社が上位に多くランクインしている。
またそれに連動してか、前年度に見られた学生の「中堅・中小企業志向」が「大企業志向」に戻りつつある。ランキングで著名な大企業に票が集まりがちなのは、調査対象が、就活のとば口に立ったばかりの大学3年生および大学院1年生であることも影響しているだろう。就活の現実に直面する4~5カ月後に調査をしたら、また別の結果になるかもしれないが、総じて今年の学生は、就職に対して楽観的になってきているということはいえるだろう。
さて、このランキングがこの10年でどう推移したか、主要職種の中から代表的な企業を例に検証してみよう。
図は主要業界の人気企業7社の2006年から今年までのランキングの推移を表したものである。
ここ数年、高い人気を保っているJTBグループとANAが、08年に一度、順位を落としている。これは、リーマン・ショックの影響だろう。景気が落ちこめば、旅行需要もガタ落ちし、業界の未来は暗いと思ったのだろうか。ANAの13年の落ち込みは、11年末から12年にかけて、鳴り物入りで就航したボーイング787のトラブル続出が影響したと考えられる。
三菱東京UFJ銀行、伊藤忠商事はいずれも昨年に比べ今年は順位が下がったが、最近は業界の雄として安定した人気を誇っている。10年間、ほぼトップ10入りを果たしているのは、この2社とJTBグループくらいだ。
■10年前はトップ争い、今は圏外のソニー
凋落がはなはだしいのがソニーである。05年は1位、10年も7位と堂々たる順位だったが、翌年から徐々に順位を下げ、昨年からついに100位に届かない圏外になってしまった。18位につける子会社、ソニーミュージックの後塵を拝する始末である。これはソニーだけではなく、他の電気機器業界も同様、業績悪化が原因だろう。
サントリーホールディングスとトヨタ自動車はどうか。10年前はともにトップ3に入る人気を誇っていた。なぜ順位を後退させているのだろう。
乾氏がこう明かす。「サントリーホールディングスの場合、10年までは『サントリー』で採用を行っていたのですが、翌年から『サントリーホールディングス』と『サントリー食品インターナショナル』の2つに分けてしまったのです。採用活動が2社に分かれてしまったのが最大の要因でしょう。さらに、ホールディングスがつくと、管理会社のようなイメージがありますので、学生が戸惑ってしまったのではないでしょうか」。
社名の変更が就職人気に影響するとは企業にとっても青天の霹靂だろうが、人気のためにもう一度、社名変更するわけにもいくまい。
トヨタ自動車は、近年は採用広告や合同セミナーに力を注いでいない。そのため、活動を始めたばかりの大学3年生には採用活動に積極的な他の企業のほうが身近に感じるのかもしれない。本腰を入れて活動するころには、当然、志望先の一つに挙がってくるだろう。
トヨタのように独自路線を貫く企業もあるが、乾氏によれば、全体の傾向としてこういった就職人気ランキングで上位に入ることを意識して動く企業は増えてきているという。
今後よりよい人材を確保するためにも、企業は自社の好感度を上げていくことが必須になのかもしれない。
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