【ホンダ】「存在感」「ブランド力」でも世界一を狙う二輪車大改革
プレジデントオンライン / 2014年5月14日 14時15分
■「ホンダはバイクもつくっているんですか?」
ホンダは4月16日、茨城県ひたちなか市の自動車安全運転センターで二輪車の試乗会も兼ねた技術フォーラムを開いた。会場には今年発売される新型車がズラリと並び、その数は50台超。しかも、それぞれのバイクのそばには開発担当者が立ち、熱心に説明を行う。
「今年のホンダ二輪は相当力が入っています。新型車も20数車種出す予定で、4月だけでも約10種類の新型車を投入します。それに、このような大がかりなイベントを開くのは、ホンダの二輪としては初めてのことです」と話す。裏を返せば、それだけ危機感を持っていたわけだ。
ホンダの二輪といえば、販売台数世界一で、その数は1700万台超。そのうえ、高収益を誇り、ホンダの屋台骨を支える。リーマンショック後、自動車メーカーの多くが赤字を計上したなか、ホンダは黒字を確保したが、それは二輪のおかげだった。
ところが、その存在感となると、いまひとつ。BMWやハーレーダビッドソンなどに比べてブランド力は低く、ライダーからは「ホンダのバイクにはアイデンティティが感じられない」「ホンダのバイクは一目でわからない」などと散々。おまけに昨年の新入社員からは「ホンダはバイクもつくっているんですか?」と言われる始末で、さすがにこれには二輪関係者もショックを受けた。
こうした事態を招いたのは言うまでもなく二輪関係者の怠慢で、世界一にあぐらをかき、PR活動を積極的に行ってこなかったからにほかならない。「ホンダの二輪車を理解してもらい、存在感を上げるにはどうしたらいいか」――。そこでまず行ったのが、マスコミを対象にした今回の技術フォーラムだったわけだ。
■全モデルで2割の燃費改善に取り組む
「今後3年間のうちに、ホンダの二輪を変えていく。高い志をもって、全世界の二輪研究所にいる全員で頑張り、世界中のお客様の期待に応えるために、独創性を大事にし、今まで以上にいい商品を供給していく」
本田技術研究所二輪R&Dセンターを担当する野村欣滋取締役常務執行役員はこう強調し、そのキャッチフレーズとして「Go for it !(目標に向かって進もう、頑張ってやってみよう)」を掲げる。
それは(1)新世代基礎技術の確立(2)新世界基準のモノ造り(3)圧倒的な環境安全性能(4)魅力溢れる商品コアとパッケージの実現の4つの目標からなる。
例えば、燃費についても、「よりいろいろな人に乗ってもらうために業界ナンバーワンを絶えずキープできるような技術を仕込んでいく」と野村常務は語り、二輪車の燃焼効率を現在の30%から35~40%にまで引き上げる。あわせて車体の軽量化や低燃費タイヤの採用などを行い、全モデルで2割程度の燃費改善を目指す。
また、フロントマスクのデザインをシリーズごとに統一。そして、LEDを活用した光の演出も使いながら、ホンダとしての独立性を確立していく。これによって、ホンダのバイクは一目でわかるようになるそうだ。
そのほか、新しいユーザーを獲得するため、これまでになかったバイクも投入する。その典型が4月21日に発売した「NM4-01」だ。それはまるでアニメに出てくるようなバイクで、「近未来」と「COOL」をテーマに開発し、これまでのバイクとは一線を画した独特のスタイリングが特徴だ。
「これから魅力的なバイクをどんどん投入していきますので、楽しみにしてください」と野村常務。ホンダの二輪車は販売だけでなく、存在感やブランド力でも世界一を狙う。
(ジャーナリスト 山田 清志)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
関西最大級のバイクイベント『第41回大阪モーターサイクルショー2025』2025年3月21日(金)~23日(日)に開催決定!
PR TIMES / 2024年9月18日 11時0分
-
ユーザーとHondaの絆を深めるイベント「Honda モーターサイクル ホームカミング 熊本 2024」11月開催
IGNITE / 2024年9月6日 22時30分
-
ホンダ恒例、熊本製作所でのバイクイベント「ホームカミング2024」、今年は11月2日に開催
レスポンス / 2024年8月31日 8時0分
-
あまり見かけない補助標識の「小二輪」表記!? 小型二輪のみが対象になるのか?
バイクのニュース / 2024年8月28日 9時10分
-
「ギョーザ日本一」はバイク屋が作った!? 浜松のB級グルメと幻の名車「ライラック」の知られざる縁
乗りものニュース / 2024年8月25日 18時12分
ランキング
-
1「タワマン節税」「空き家問題」2つの不動産相続ルール変更で何が変わる?マンションや古い物件の活用方法は?
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年9月22日 8時0分
-
2「今買わないと後悔しますよ」 客を萎えさせる「店員の声かけ」はこれだ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月22日 8時5分
-
3スーツの青山、らしくない「モード服」に本気の理由 外部人材を起用、新ブランドでイメージ大刷新
東洋経済オンライン / 2024年9月23日 8時0分
-
4「チープカシオ」なぜ人気? 安価だけではない、若者に支持される理由
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年9月22日 7時10分
-
5福井のブランド米「いちほまれ」の新米、昨年より価格6割高で店頭に…生産量は2000トン増の見通し
読売新聞 / 2024年9月22日 8時43分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください