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コツは音読。人気講師が選んだ英語教材

プレジデントオンライン / 2014年6月1日 10時15分

「話す」「聞く」「読む」「書く」の4つの力を同時強化! オーティーシー主任コーディネーターの菊間ひろみ氏に推薦教材を聞いた。

「英会話をやりたいけれど、30代、40代になってからでは遅いのでは」と悲観する方がいらっしゃいます。確かに記憶力はだんだん低下してきますが、記憶力だけで英語が身につくわけではありません。年を重ねたからこそ有利なこともあるのです。

まず、ビジネスパーソンであれば、「ビジネスを円滑に進めるため」という学習目標がはっきりしています。また時間の大切さも痛感しているだけにその分、集中力も高まるはず。何よりもこれまで仕事で蓄積した経験・知識は、英語学習の土台として重要な役割を果たします。英語はビジネスの道具の一つだということを念頭におき、毎日10分でも15分でも勉強する習慣をつけること。そして、楽しく続けるのが一番の近道だと思います。

今、書店には英会話学習本が大量に並んでいます。センテンスだけたくさん載っている本が多く、何となくお得に見えるかもしれませんが、ちょっと待ってほしい。言い回しだけをたくさん覚えても、会話は上達しません。「はじめまして」とか「よろしくお願いします」といった意味の英文を一方的に並べても会話とはいえません。

ましてや受験のように単語やイディオムばかりを覚えるような学習方法は、結局、覚えた語彙をどういう流れの中でどう使うのかが学べないため、有効ではありません。

日本において私たちは、退勤時に同僚に「お先に失礼します」「お疲れさま」と声を掛けますよね。英語圏でも同じで、例えば金曜日に「Have a good weekend.(よい週末を)」と言われたら、「You, too.(あなたも)」と返すのが習慣です。こういった自然な流れを知らなければ、声を掛けられてもどう応えていいのかわかりません。

どんなふうに声を掛け合い、どう返すのが英語圏の常識なのか。まずはそれを知ることが大切なので、テキストは会話形式になっているものを選びたい。日本人が書いた本には不自然な表現が見られることもありますから、ネーティブが執筆もしくは監修しているものがいいと思います。

そして、テキストにある典型的な会話パターンを暗記するくらい何度も音読してください。この音読が英語習得に大きな効果をもたらします。特に挨拶など日常生活に使われる定番表現は、考えなくても口の筋肉が自然に動いて、さっと言葉が出てくるくらいまで練習します。英語がうまくなくても、笑顔で決まり文句を返すだけで相手との信頼関係が生まれ、コミュニケーションもスムーズになるのです。

また、沈黙せずに会話を続けるためには、こちらから質問を投げかける必要があります。相手のことを尋ねる疑問文を暗記しストックしておくと、会話がスムーズに流れます。会話が続けば、その分、こちらの耳にインプットされる英語の量も増え、自然と英語力アップに役立つのです。

特にビジネスの場においては、失礼な表現を使わないことも留意したいところ。ノンネーティブだとわかっていても、失礼なことを言われると誰しもいい気分はしないものです。そのためにも丁寧な表現とくだけた表現を意識的に区別して学習しましょう。

独学の場合、発音を含めて、学んだことが本当に通じるのかどうか確認が難しい。もし周囲にネーティブスピーカーがいない場合、多少の出費にはなりますが、英会話学校などを「確認の場」として活用するのも手です。最近は、パソコンのビデオ通話ソフトのスカイプを利用して主にフィリピン人講師と英会話を練習する安価な講座が多数あります。これも質はさまざまですが、独学の成果を確認する場として一度試してみるといいと思います。「自分の英語が通じた!」という喜びは、何よりもさらなる学習へのモチベーションになります。

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□□■スピーキングの推薦教材■□□
・推薦図書
『英会話ペラペラビジネス100』
スティーブ・ソレイシィ、ロビン・ソレイシィ共著/アルク
『ネイティブが教えるコミュニケーションテクニック60』
エド・スミス、デビッド・ネヴィン、金井真努香共著/NHK出版

・参考書として
『Communicating in Business English』
Bob Dignen著/Compass publishing

・文法書
『マーフィーのケンブリッジ英文法 初級編・中級編』
レイモンド・マーフィー著/Cambridge University Press

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リスニングは短時間でも集中して聞き取るようにしないと意味がないので、聞き流すだけの教材などは絶対に使わないでください。まずは会話テキストの付属CDを聞き、スクリプトを見て聞き取れないところを確認してください。そしてCDの英語と近い発音で音読できるようになるまで、繰り返し練習してください。正確に発音できると、リスニング力も確実に伸びていきます。

声に出す際に、会話の場面を意識的に映像として頭に浮かべるようにすると、記憶に残りやすく、実際の場面でも使いやすくなるでしょう。

リスニング力強化にはNHKのラジオ講座をお勧めします。良質な会話例が用意されており、講座自体は無料。最近はホームページでも期限付きながら過去放送分や重要センテンスなどが無料で聞け、テキストは数百円で手に入ります。番組も初心者からビジネス向けまで幅広いので、レベルに合わせて選ぶといいでしょう。

映画を見るといった方法は、特に初心者の場合は聞き流すだけになってしまいがち。センテンス一つでも聞き取れたら楽しい、というくらいの補足的な意味でやるのならいいでしょう。

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□□■リスニングの推薦教材■□□
『NHK入門ビジネス英語』
第2放送/月・火12:40~12:55、23:20~23:35(再)
『NHKラジオ英会話』
第2放送/月~金6:45~7:00、12:25~12:40、15:45~16:00(再)、21:45~22:00(再)

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リーディングは一見、会話とは関係が薄そうに思えますが、読むことは英語に慣れる近道です。ポイントは楽しみながら読めるものを選ぶこと。趣味や仕事に直結するものは興味を持ちやすいはずです。

まずは自分の語彙力で読み切れる本を探します。Penguin Readersという洋書シリーズは、本に600ワード、1200ワードなどと語彙レベルが明記されています。一番下なら200ワード(TOEIC250点)レベルです。受験英語の悪影響で、英文を後ろから読んで日本語に訳してから理解しようとする人が大多数ですが、これでは速度が上がりませんし、リスニングに応用できません。英語はあくまで英語として、頭から意味のまとまりで理解するようにしてください。少しやさしめの文章をしっかり読むといいでしょう。英和辞典なしで読み通せたときの喜びは、必ずや自信につながります。

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□□■リーディングの推薦教材■□□
・学習者向け英字新聞
『The Japan Times ST』『Asahi Weekly』
・英字新聞
『The Japan Times』
・洋書
『Penguin Readers』PEARSON EDUCATION/短い物語中心の洋書シリーズ。

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ビジネスパーソンにとってライティングは英文メールが最も身近なのではないでしょうか。洋書ですが、『Writing for the Real World 2』はメールのフォーマットが掲載されており、内容もビジネス向けで使いやすい。

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□□■ライティングの推薦教材■□□
『Writing for the Real World 2』
Roger Barnard、Antoinette Meehan共著/Oxford University Press

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辞書に関しては、英英辞典の機能が搭載された電子辞書をお勧めします。単語を調べるときに英英辞典を使うと、英語をさらにわかりやすい英語で言い換える訓練になり、英語を英語のまま理解する練習にもなります。

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電子辞書は英英辞典機能搭載のものを。
写真はCASIOのXD-N8500。



 

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オーティーシー 主任コーディネーター 菊間ひろみ
茨城大学卒、米国ペンシルベニア州立大学大学院留学。企業や大学での英会話・TOEIC研修を担当。著書に『英語を学ぶのは40歳からがいい』など。

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(オーティーシー 主任コーディネーター 菊間 ひろみ 構成=斉藤栄一郎)

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