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稼ぐ人が見据えているのは、どのくらい先の未来か

プレジデントオンライン / 2014年6月26日 12時15分

図21~図23

始業時間、朝イチの仕事、打ち合わせ、スキマ時間、休日の過ごし方……。時間の使い方に関する年収別の徹底調査で「稼ぐ人」と「残念な人」との決定的な違いが見えてきた。

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調査概要/楽天リサーチの協力を得て、インターネットを通じて1000人のビジネスマンより回答を得た。調査期間は2012年11月22~26日。

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将来に向けた時間の使い方をチェックしていこう。年収層による違いがはっきりあらわれたのは目標設定だ(図21)。年収500万円台は、1週間先の目標を設定している人が26.7%、1カ月先の目標を設定している人が24.3%、1年先の目標を設定している人が23.1%と、期間が長くなるほど目標を設定する人が減っていく。一方、2000万円以上は、1週間先が31.2%、1カ月先が30.9%、1年先が37.2%で、短期目標より長期目標を重視している。低年収層が目の前の目標達成を重視しているのとは対照的に、高年収層は長期の視点で先を見据えながら仕事をしている傾向が見てとれた。

ワーク・ライフ・バランスについての意識は必ずしも年収と比例しなかった。「オンとオフをはっきり分けるべきだと思う」と回答した人が最多だったのは年収800万円台で、85.0%(図22)。「理想的なワーク・ライフ・バランスとは、オンとオフを切り替えられることだと思う」と答えた人も、800万台が60.9%で、ほかの年収層より多かった(図23)。休日の過ごし方のところでも触れたが、仕事を辛いものだととらえている800万円台は、仕事とプライベートを区別する意識が強いようだ。本田氏は、「もはやワークとライフを分ける時代ではない」と指摘する。

「シリコンバレーや日本の先端的な会社で、ワーク・ライフ・バランスを掲げている会社はほとんどありません。そこで働く人々の多くは、意識的に仕事と生活の境界線をなくして、普段の生活の中に仕事の楽しみがあるという働き方をしています。これからは“ワーク・ライフ・インテグレーション”。つまりワークとライフが統合された生き方が1つの流れになっていくのではないでしょうか」

■人生の目標を立てているか

目標のリスト化についての項目では、興味深い結果が出た。「やりたいことリストをつくっている」と回答した人はどの年収層でも4割前後で、大きな差がなかった(図24)。一方、「やらないことを決めている」と回答した人は年収2000万円以上が31.8%、800万円台が21.6%で、10%の差がついた(図25)。やりたいことを並べるだけでは、周りと差別化しにくい。やってはいけないことを並べるブラックリスト方式のほうが、年収アップにつながりやすいのかもしれない。

図を拡大
図24~図26

「人生の目的や目標を常に意識している」と回答した人は、年収2000万円以上が57.0%、800万円台が42.6%、500万円台が39.5%だった(図26)。高年収の人ほど年間目標を重視する傾向があると指摘したが、人生という長大なスパンでも同じで、高年収の人ほど目的、目標の意識が強かった。ただ、本田氏は「長期の目標はあまり立てすぎないほうがいい」という意見だ。

「今は変化が著しい時代です。新しいものが次々と生まれてくるのに、今の基準で5年10年先の目標を立てると、それに縛られて視野を狭めることになります。生き方や働き方の方向性は決めておいたほうがいいですが、目標については柔軟に考えたほうが現代的だと思います」

最後に本田氏は、忙しいと感じている人に次のようなアドバイスをしてくれた。

「仕事に縛られていると感じるのは、仕事に依存する心理の裏返しでしょう。会社員でもセルフマネジメントできている人は、たとえ仕事量が多くても、何かに縛られている気分にはなりません。時間をやりくりすることより、自立的・自主的に考えて働くことが最大の時間管理術になるのです」

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本田 直之
レバレッジコンサルティング代表取締役兼CEO。明治大学卒。サンダーバード国際経営大学院でMBA取得。 ベストセラーとなったレバレッジ・シリーズのほか『会社で不幸になる人、ならない人』など著書多数。

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(ジャーナリスト 村上 敬 工藤睦子=撮影)

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