1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

ペラペラ不要! TOEIC600点で昇格できる

プレジデントオンライン / 2014年9月25日 9時15分

■TOEICは何点取ったら評価が上がるのか

少子高齢化の日本から世界へと、グローバル展開を進めたり目指したりする日本企業が増えています。気がつけば、「グローバル人材」なる言葉をしばしば聞くようになりました。そこで、個人としてやはり重要になるのは英語力でしょう。基本はTOEICです。前回報告したように、37%の会社がTOEIC受験をする社員に支援をしています。さて、会社は何点以上のTOEICスコアの社員を評価しているのでしょうか。

----------

【Q4】TOEICを社員が受ける場合、おおむね何点を目標にしていますか?

----------

54社によるアンケート結果は下記の通り。一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会「TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」を参考にしながらご覧いただきたい。(なお、「海外部門が700点、国内は600点」といった場合は、高い方の700点に入れてカウント。カッコ内に説明を加えました)

●レベルA(860点~)
語彙・文法・構文のいずれも正確に把握し、流暢に駆使する力あり。
レベルB(730点~855点)
通常会話は完全に理解でき、応答もはやい。話題が特定分野でも対応できる。
レベルC(470点~725点)
通常会話であれば要点を理解し、応答にも支障はない。
レベルD(220点~465点)
ゆっくり話してもらうか繰り返し言い換えてもらえば簡単な会話はできる。

----------

【800点】3社
・サイバーエージェント(海外部門)
・メガバンク(総合職)
・大手自動車部品メーカー(海外赴任者)*課長格は600点以上
【750点】1社
・ハウスメーカー
【730点】6社
・丸紅 *入社5年目になるまでに730点クリアすることが必須
・ブリティッシュ・アメリカン
・タバコ・ジャパン合同会社 *営業部門は470点以上。管理職昇格に730点以上を義務づける部門がある
・双日 *SW<スピーキング・ライティング>テストにおいてはSはレベル6以上、Wはレベル7以上
・菓子メーカー
・物流大手
・自動車メーカー(海外部門)*国内部門・事務職500点以上、国内部門・技術職470点以上
【700点】3社
・コンビニ大手(海外部門)*国内一般600点以上
・大手小売(海外部門)*その他総合職500点以上
・メガバンク 
【650点】2社
【600点】14社
【550点】1社(専門職1級昇進時)
【500点】4社(1社は国内一般管理職)
【470点】1社
【450点】1社
【非公開】7社
【特になし・非公開】11社 
※このうち電子部品メーカーは点数目標を特に設定していないが、前回スコアより10%アップを目標している。また、生保は「本人に任せている」と回答した。

----------

■海外部門は730点以上ほしい

目標スコアとして最も多かったのは「600点」でした(14社・25.9%)。「通常会話であれば要点を理解し、応答にも支障はない」程度の英会話力を会社は求めているようです。国内営業や技術部門の社員に対しても、レベルC(470点~725点)を目標とするケースが目立ちました。

一方、商社をはじめ、海外部門をもっている会社は730点以上のレベルを求めている傾向が顕著でした。「最低でも800点の英語力がないと、海外に出た時に仕事にならない」(日米を行き来している外資系企業の50代日本人執行役員)という声もあります。

TOEICスコアを昇格の条件にしている会社もありました。例えば、パナソニックは「550点以上を昇格候補者になるための要件の一つとしている」と回答しました。しかし、

「英語はできるが、肝心の折衝ができない人はけっこういる」(大手銀行首脳)
「英語ができれば、即グローバル人材ではない」(自動車メーカー経営者)

つまり、TOEICスコアが高ければ出世できるというわけではなさそうです。

とはいえ、いまや、ダイバーシティ(多様性)を推進する企業も多く、職場でも外国人と働く機会は増えていきます。昇格や評価もありますが、国内事業に従事する人でも英語力は必須になっていくでしょう。定年が近い50代はともかく、まずは、食品メーカーが「海外で何とか会話ができるレベル」と語る600点を目標にするといいかもしれません。

最後に、新栄不動産ビジネス・新田社長の次の言葉を紹介しておきます。
「海外部門で採用する場合、日本人でも外国人でもTOEICは900点以上を求めます。満点を取った社員も当社にはいますから」
 

----------

<第3回の結論>
・TOEICは、まずは600点を目指そう。
・英語力を向上、あるいは維持するため、あくまでもツールとして定期的にTOEICを受験するのは有効。
・グローバル化の進展やダイバーシティー(多様性)推進から、企業内で英語力は求められる傾向に。社員の英語能力の指標にTOEICを使う企業は多い。

----------

【アンケートにご協力・ご回答いただいた企業(順不同)】丸紅/帝人/大和ハウス工業/三菱東京UFJ銀行/ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン合同会社/ミツバ/三井住友海上火災/キリン/パナソニック/オリックス/双日/富士ゼロックス/三菱重工業/サイバーエージェント/積水ハウス/トヨタ自動車/ブリヂストン/NEC/カルビー/ぐるなび/アサヒグループホールディングス/ユニ・チャーム/ローソン/住友電気工業/新栄不動産ビジネス/三井住友銀行/川崎重工業/キヤノン電子/ニトリホールディングス/クレディセゾン/クラシエホールディングス/ダイキン工業/デンソー/マツダ/サントリーホールディングス/ヤマトホールディングス/京セラ/京王プラザホテル/みずほフィナンシャルグループ/このほか、食品、生保、精密、鉄道、ホテルチェーン、化学、電機、不動産、機械など15社。合計54社。

(経済ジャーナリスト 永井 隆)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください