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「人前で英語を話すのが恥ずかしい」克服したいなら、酒の力を借りてみる!?

プレジデントオンライン / 2015年12月14日 12時15分

「もう記憶力が衰えて……」「忙しくて時間が……」オジサンが英語を学ぶには、たくさんの苦悩がつきものだ。悩みの淵から救うべく賢者による相談室を緊急開設!

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回答者:村上憲郎 31歳から英語を始めた元グーグル社長
村上憲郎事務所代表
米グーグル副社長兼日本法人社長、日本法人名誉会長を経て、2011年より現職。31歳から自力で英語を身に付け、グーグルのトップに立った経験を生かし、実際的なアドバイスを与える。
 
回答者:内藤誼人 心理学でズバッとお悩み解決
心理学者、アンギルド代表取締役社長
ビジネス心理学の第一人者として、実践的な心理学の応用に力を注いでいる。客員教授を務める立正大学では昨年、心理学英語論文講読の講座も担当していた。
 
回答者:イムラン・スィディキ 12万人に教えてきたバイリンガル講師
コペル英会話教室オーナー校長
mixiコミュニティ「英語英会話一日一言」のメンバーは10万人を超える。ほかにもYouTubeでの英語講座や英語学習書の執筆など、多方面で活躍。バイリンガルならではの指導法に定評あり。

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【Q】忙しくて勉強する時間がない

【A】いくら忙しいと言っても、少しはテレビも見るし、飲み会にも行くんでしょう。「いや、あとは本当に寝る時間しか残っていないんだ」と言うなら睡眠時間を削ればいいだけです。それが嫌なら、地獄に堕ちろ!(笑)(村上さん)

どんなに忙しい人でも、10分、15分なら時間をつくれますよね。でもそれができないのは、結局、勉強したくないからです。そして「勉強しなきゃいけないけど、やっていない」という罪悪感が生まれて、ますます嫌になるパターンが多い。まずはここから脱出しましょう。

毎日5分でもいいので、英語に触れるようにしてください。この程度で成果が出るわけはないので、成果は求めないこと。2、3日中断しても気にしない。とにかく毎日触れることを続ける。すると英語を学ぶのが「苦痛」から「普通」になります。そのうちだんだん「もう少しちゃんとやろうかな」という気分になってきますよ。(イムランさん)

【Q】発音しないと上達しないと言われるが、人前で英語を話すのが恥ずかしい

【A】こういう人は、日本語で話すのも苦手なのでしょう。たとえば人前で自己紹介したり、会議で発言するのも恥ずかしいとか。人前で話すこと自体が苦手だという人が、英語を話すときだけ人格が変わったように饒舌になるなんてことは絶対にありません。

そもそも人前で話すのは、非常に苦痛なことなのです。欧米で、これを証明する面白い研究がありました。ストレスを感じるものは何かという問いに対し、「死」を抜いて「スピーチ」が1位。日本人から見たらあんなに自己主張が強くておしゃべりな欧米人でさえ、「スピーチをするくらいなら死んだほうがましだ」とまで思っているのです。ましてや日本人が英語で話すなんて、苦痛なのが当たり前です。

これをどうにかするには、慣れしかありません。話すということは結局コミュニケーションですから、こればかりは「畳の上の水練」では意味がない。実際に誰かと話すしかないのです。お勧めは外国人が集まるパブなどに行くこと。僕もよく行くのですが、酔っていると、外国人とも気軽に話ができます。この際、酒の力を借りましょう。(内藤さん)

【Q】日本人の前で英語を話すのはもっと恥ずかしい

【A】地方出身者の人なら、この気持ちがよくわかるはずです。東京で同郷の友人と会ったときに、隣に東京の友人もいたとしたら、方言で話すのは恥ずかしいですよね。日本人の前で英語を話すのは、これに近い。日本人同士で日本語ではなくあえて英語で話す、つまり普段とは違う話し方をすることへの違和感が、恥ずかしさに繋がるのです。これは自然なことなので、恥ずかしいのは当たり前と開き直りましょう。「いちいち照れて情けない」などと自分を責めてはいけません。(内藤さん)

【Q】なかなか上達しないので、モチベーションが維持できない

【A】目標を高く設定しすぎていませんか。人間はいつの間にか欲が出て、目標を無意識に上げていることがあります。初めは日常会話でいいと思っていたのに、上達するにつれてネーティブと英語で議論することが目標になっていたりするものです。まずは目標をうんと低く設定し、達成感を何度も味わうことでモチベーションを保ってください。これが「スモールステップの原理」です。

中年が英語を勉強するのは、「会社からTOEIC800点取れと言われた」というように、目的がはっきりしている場合がほとんど。それなのに自分で勝手に勉強の範囲を広げているケースも目立ちます。お医者さんと同じで、自分の専門分野だけ守っていればいいのです。(内藤さん)

【Q】英語ができるようになるには、欧米の文化も学ばないとダメ?

【A】日本人の英語の先生は「英語を学ぶなら、まず文化的な背景を知りましょう」なんてことをよく言いたがります。なぜなら日本人は柔道、茶道、剣道、書道と、なんでもすぐ「道」にしてしまう民族。求道精神が強いので、英語も「英語道」にしてしまうのです。そもそも英語の先生になろうという人たちはもともと英語が大好きな、いわば英語オタクですから、向こうの生活習慣とか歴史とか、欧米人のものの考え方なんかを喜んで勉強する。その結果、生徒にも教えたくなるのでしょう。

しかしビジネスマンが英語を学ぶのは、仕事の道具として必要だからですよね。向こうの文化を知らないと「企画書を送ってください」と言えないなんてことはないように、欧米文化に興味が持てなくても、英語の習得に問題はありません。英語はあくまで「技術」と捉えるべきです。(内藤さん)

【Q】記憶力が衰えたのか、なかなか覚えられないし、覚えてもすぐに忘れてしまう

【A】確かに中年になると若いころより学習能力や記憶効率が落ちます。しかしまったくゼロになるわけではない。これは心理学の研究によっても明らかになっています。車に例えれば、200キロは出ないけれど100キロは出る。

本当は年齢のせいにして勉強から逃げたいだけでしょう。人間は自分を正当化するためなら、ありとあらゆる言い訳を思いつくものです。「親父が頭悪かったから俺もバカなんだ」なんて、どうにもならない言い訳をする人もいるくらい。覚えられないのは単なる復習不足です。新しい知識を詰め込むより、覚えた単語やフレーズを積極的に使うようにしてください。(内藤さん)

「年を取って記憶力が衰えた」と言う人は多いですが、では若ければ若いほど記憶力がいいのでしょうか。もしそうなら、子供のころは特に勉強しなくても漢字テストで100点を取れていたはず。でも実際に100点を取れたのは、何回も漢字の書き取りをしたときではありませんでしたか。これと同じで、何回も声に出して発音して、書いて覚えた人だけが英語を身に付けることができる。年齢は関係ありません。記憶し続けるには、アウトプットし続けるしかない。忘れたらまた覚えればいいのです。(イムランさん)

(長山清子=構成 澁谷高晴=撮影)

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