固い決意「スマホを見過ぎない」はむしろ逆効果

プレジデントオンライン / 2016年2月8日 8時45分

■「~しない」という習慣化目標は絶対に失敗する

習慣化のコンサルティングをしていて、挫折するスタート地点でよくある失敗は「~しない」という行動を決めているケースです。

・飲みに行かない
・スマホを見ない
・テレビを見ない
・タバコを吸わない
・ダラダラしない
・ムダ遣いしない
・他人に振り回されない
・食べ過ぎない

これらは一見正しいようですが、あまりおすすめできない習慣化目標です。私たちは悪い習慣に焦点を当てて考えると「~をやめたい!」という欲求から「~しない」と行動を決めがちです。

しかし結局、飲みに行く、スマホを見る、テレビを見る、タバコを吸う、ダラダラする、ムダ遣いをする、他人に振り回される、食べ過ぎてしまう……というパターンから抜け出しにくいものです。

▼脳が行動命令を受け取れるまで具体化する

心理学では、脳は「否定語」を認識できないといいます。正確な言い方をすると、私たちを突き動かしているのは言葉そのものというより内的イメージなのです。例えば、「日記を書く」という習慣は具体的にイメージしやすいです。ところが、「タバコを吸わない」と決めたとしても、今ひとつイメージ化しにくい。煙をくゆらせてタバコを吸っている状態のほうがイメージしやすい。

脳はイメージされたものに引っ張られるので、繰り返しタバコを吸っているイメージをしてしまい、結局、誘惑に負けてしまいます。

たとえば、「飲みに行かない」「スマホを見ない」と決めたとします。でも、わかっちゃいるけどやめられないのですよね?

否定語目標は、行動が定義されていないのが問題です。だから悪い習慣をやめる! という目標ではなく、「~する」という代替行動を決めなければいけないのです。

■やめる代わりに「何をするか」決める

▼どうすれば変換できるのか?

では、具体的にどう代替行動を決めればいいのでしょうか? 事例を見ていきましょう。

×飲みに行かない
○飲みに誘われたら、禁酒していると伝える

×スマホを見ない
○大好きな小説シリーズを読む

×テレビを見ない
○テレビのコンセントを毎日抜く

×ダラダラしない
○朝一番に外出する予定を入れておく

×ムダ遣いしない
○財布の中には2000円だけ入れる

×他人に振り回されない
○SNSやLINEを見るのは、電車の移動中だけにする

×食べ過ぎない
○夕食は、自宅に帰る前に外で食べて空腹を落ち着かせる

いかがでしょうか?

「~しない」という決め事と、「~する」という行動の決め事はずいぶんと印象が違うと思いませんか。

何をすれば、その悪い習慣は発動しなくなるのかを考えて、それを習慣目標にすることで悪い習慣をやめることができます。

▼習慣行動を決める質問

最後に、どうすれば「~する」式に行動思考で考えることができるのかを考えましょう。コツは、自分に質問をすることです。そして、行動のホットポイントを掴むことです。

ここでいうホットポイントとは、「おっ、それならできそうだし、効き目がありそうだと腑に落ちるポイント」のことです。

■私、これでスマホ中毒をやめました

このように、行動志向の習慣行動かつホットポイントをつく行動にするためには、次のような質問を投げかけてみてください。

Aさんの事例を見てみましょう。

Aさんは、スマホを夜遅くまで見て、寝不足になっています。さらに時間をムダ遣いしている感覚が強くなっています。夜はしっかり眠り、本を読んだり、資格の勉強をしたりしたいのですが、なかなかやめることができません。

そこで、「スマホを見すぎない」という目標を立てましたが、これではうまくやめることができませんでした。どうすればいいのでしょうか?

「スマホを見すぎない」という曖昧かつ、行動志向ではない習慣行動を3つの質問で変えていきましょう。

質問1「で、結局何をする?」(行動を明確にするための質問)
行動→SNSやLINEを見るのは、電車の移動中だけにして、家に帰ったら、スマホの電源をオフにする

質問2「何をするとその行動は止まる?」(悪い行動の発動を止める行動を明確にする質問)
行動→スマホの電源をオフにして、さらに、それを自宅のリビングや自室ではなく、玄関の郵便受けあたりにおいて、自分との距離を置く。朝、出かけるときに取りに行く。

質問3「その行動が満たす欲求を別の方法で満たすとすると?」(代替行動を探る質問)
行動→スマホの代わりに、ジャズ音楽を聴く。ジャズ音楽を聞きながら暗い部屋に入れば自然に寝ることができる。

と答えました。

最終的に、「スマホは郵便受けに入れる。スマホの代わりにジャズを聴く」と決めました。

このように、悪い習慣を断ち切りたいとき、「~しない」と決めたら、一歩踏み込み「そのために、~する」と決めましょう。

(習慣化コンサルティング代表取締役 古川 武士)

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