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「心のブレーキを外す」哲学者の言葉

プレジデントオンライン / 2016年4月17日 12時15分

漠とした不安。湧かぬ意欲。取れない疲れ……。そんな心の病巣を、外科医の捌くメスのように的確に探り当てるのは、古今の碩学の紡いだ英知の言葉。小説家・須藤靖貴氏に、その珠玉の数々を選び抜いていただいた。

他人と比較して
ものを考える習慣は、
致命的だ。
――B・ラッセル●英・哲学者

「おそらく不幸の最も強力な原因の一つ」であるねたみの感情について記した『幸福論』6章より。しかし、嫉妬深さの原因を自覚しただけでも治癒の方向に踏み出したことになるとしている。

苦しいから逃げるのではない。
逃げるから苦しくなるのだ。
――W・ジェームズ●米・心理学者

米国各界に影響を与えた哲学者・心理学者。外部からの刺激を知覚した身体が直接変化(逃げる)し、それが情動(苦しい)を生むという、一般常識とは真逆の「情動理論」を提唱、論争を呼んだ。

人が不可能だと思っているときは、
やりたくないと決めているときだ。
――スピノザ●蘭・哲学者、神学者

デカルト、ライプニッツと並ぶ合理主義哲学者。「私にはできません」という物言いが謙遜ではなく、単に言い訳であることを見抜いた一言。「善だから努力するのでなく、努力するから善なのだ」との一言も。

困難だから、
やろうとしないのではない。
やろうとしないから、
困難なのだ。
――セネカ●古代ローマ・哲学者、劇作家

時間についての考察を多く残し、その浪費に対し憤りを隠さないセネカ。四の五の理由をつけて大事なことに取り組もうとしない者へも当然のようにこうした厳しい指摘を行っている。

不安は自由の眩暈だ
――キェルケゴール●デンマーク・哲学者、神学者

実存主義の先駆者。自由な選択権を持つことが、かえって「漠とした不安」を掻き立てるが、そこで主体的な選択を行うことの大切さを説いた。

「みんなが私を嫌っている」
「今回ダメだったから次もダメだ」
という思い込みは、
冷静に立証を試みれば消えていく。
「今回ダメだったから次もダメだ」
という思い込みは、
冷静に立証を試みれば消えていく。

敗北を避けるために、
時に人はみずから病気になる。
「病気でなければできたのに……」
そう言い訳して安全地帯に逃げ込み、
ラクをするのだ。
――A・アドラー●オーストリア・心理学者

前者は過度の自虐がその人の成長を阻む危険を指摘。数字や論理で冷静に検証すれば、大半が思い込みだと判明する。職場・学校の後者のような場面で、本当に体調を崩した経験を持つ人は少なくないだろう。

●主な参考・引用文献:ラッセル『幸福論』『ラッセル結婚論』、アラン『幸福論』、『エミール』『ギリシア・ローマ名言集』『自省録』『曙光』『生の短さについて』『アドラー・人生に革命が起きる100の言葉』『人生を変える言葉2000』『名言・座右の銘1500』『座右の銘2000』『ウィリアム・ジェームズと心理学』『超訳ニーチェの言葉』『梅原猛の授業仏教』『情念論』『哲人・文豪・偉人 哲学の名言』『フランクリン自伝』

(プレジデント編集部 西川 修一)

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