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冠婚葬祭での祝儀・不祝儀。“相場より多め”or“相場どおり”

プレジデントオンライン / 2016年4月24日 10時15分

わが家の家計に稲盛和夫なら何とアドバイスするだろうか――。経営者の勉強会「盛和塾」で直々に哲学を学んでいる2人のファイナンシャル・プランナーに徹底取材した。

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Q. 葬儀の場所は格式の高い寺との案内があった。香典は「相場より多く包む」「相場どおりに包む」、どちらにするか。

【ヒント】稲盛哲学では、合理性と人間性のバランスが求められる。合理的に考えれば、葬儀の会場が、格式の高い寺だろうと、町の葬祭場だろうと、葬儀には変わりなく、相場どおりに包めばいいことになる。「ただ、問題は故人に対し何らかの義理がある場合で、どうやってその義理を返すかです」(ファイナンシャル・プランナー 佐々木昭人氏)。義理は合理や道理で説明できない日本人独特の行動だが、それを行うことで、相互の関係が円滑になるところもある。盛和塾の塾生は、どのような義理の返し方をするのだろうか。

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FP 佐々木昭人氏・伊藤正孝氏の回答

A. 佐々木、伊藤両氏とも、「相場どおり金額を包む」という。

「相場以上の額を持っていくのは、自分はそれだけ払えるんだという“上から目線”のところがあり、自己満足に過ぎなかったりします」(伊藤正孝氏)

ただ、相場にも幅がある。全日本冠婚葬祭互助協会が会葬者を対象に調べた「香典に関するアンケート調査(2011年度)」によると、故人との関係が「職場関係」では「5万~1000円」程度、「勤務先社員の家族」なら「1万~2000円」程度、「取引先」では「5万~3000円」程度と幅が広い。佐々木氏の場合、「迷ったら高いほうを持っていく」という。

「迷うということは、故人に対して、自分で何か特別な思いがあるわけです。とすれば、相場以上である必要はないにしても、高いほうを持っていけば、義理に対する感謝の気持ちを示せるように思います」

一方、伊藤氏は、感謝の気持ちは「言葉を添える」ことで伝える。

「例えば、葬儀の場合、香典を持参し、後日、ご遺族宛てに、故人への感謝の気持ちを伝える手紙を書くか、メールを送ります。遠方で参列できなければ、現金書留で香典のほかに手紙を同封します。結婚のお祝いでも、ご祝儀のほかにカードなどで、言葉を添えます。お金は使えば消えてしまいますが、言葉は残るような気がするんです」

伊藤氏は冠婚葬祭に限らず、お祝い事に関してマメなようで、花を贈るときは店に足を運び、相手の好きな花や色を選び、自分でアレンジをする。造花も花の香りの香水をかけるなど、一手間かけると女性に喜ばれるという。

「手紙を書くなど、みなさん、つい億劫に思うかもしれません。でも、誰もが億劫に感じることを行うから、気持ちが伝わるように思うのです。億劫に思うのは左脳の働きです。それに対し、“楽観的に実行する”のが右脳の働きであるのと同様、億劫なことを実行できるのも右脳の働きです。普段から億劫なことを面倒臭がらずに行う習慣をつけると、冠婚葬祭のときも、右脳がすぐ働いて、気持ちを伝えるための行動を起こせる。何ごとも億劫がらず、すぐ行動を起こせることが大切です」

億劫の「劫」は古代インドで最長の時間の単位で「1億劫」は途方もない時間の長さを表す。億劫なことを行うのはその分時間がかかる。「お金で時間を買う」というが、冠婚葬祭に関しては、お金以上に、時間を“奮発”するのが、気持ちを伝える効果的な方法のようだ。

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 【稲盛哲学】感謝の気持ちを示す ⇒ 億劫なことこそ習慣づけるべし

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佐々木昭人
ファイナンシャル・プランナー。ロムルス代表取締役。
1972年生まれ。生命保険の営業を経て、2007年より現在の事務所を立ち上げ、生命保険のコンサルティングを行う。09年より盛和塾新潟に参加している。
 
伊藤正孝
税理士、ファイナンシャル・プランナー。
1960年生まれ。プライス・ウォーターハウス・クーパースを経て、2004年に伊藤正孝税理士事務所を立ち上げる。稲盛氏の勉強会「盛和塾」では盛和塾横浜の元会計担当事務局を務めた。

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(ジャーナリスト 勝見 明)

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