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情報整理は箇条書きより「表」を書け

プレジデントオンライン / 2016年5月4日 16時15分

まずはわかっている情報から埋めていく

会議や商談で、話の内容をノートにメモすることは多いと思う。いくつもの情報を記録するとき、数的な論理的思考にたけた人はきちんと「整理」してまとめている。そうすれば話の内容が理解しやすいし、あとで必要な情報を取り出す際もスムーズだからだ。

一方、数的な論理的思考にあまり慣れていない人は、話の内容を羅列したり、箇条書きにしがちだ。確かに箇条書きできれいに並べられていると、「整理」されているように見える。しかし並べただけでは、本当の整理とはいえない。

たとえば、次の情報を整理してみてほしい。「女性100人に対して、恋愛に関するアンケートを行った。その結果、男性をフッたことのある人が45人、逆にフラれたことのある人が38人だった。さらに、男性をフッたことのない人の20%が、男性にフラれた経験があった」。これを、

(1)「女性は全部で100人」
(2)「フッたことのある人45人」
(3)「フラれたことのある人38人」
(4)「フッたことのない人の20%が、フラれた経験がある人」

というように箇条書きにしたとする。確かにすっきり整理されているようにみえる。

では、ここで1つ質問をしてみたい。「100人の女性のうち、フッた経験と、フラれた経験、両方ある人は何人か?」。

さて、どうだろう。即答するのは難しいのではないか。しかし、これらの情報を「表」にして「整理」することで、簡単に即答することができる(図参照)。

「フッた」「フラれた」の2つに対し、それぞれ「YES」「NO」がある。情報をもとに、「フッた・YES」(45人)と、「フラれた・YES」(38人)はすぐに埋まる。そして、女性は全員で100人だから、「NO」も自動的に埋まる(フッた55人、フラれた62人)。つまりこの段階で、すでに4つの空白が埋まってくるわけだ。

ここからがポイントだ。先ほどの情報では、「フッたことのない人の20%が、フラれた経験がある」ということなので、表の下段の真ん中が埋められる(「55×0.2=11人」)。

この段階で、3つの空白が残っているが、あとは自動的に埋まる。表をタテに見ても、ヨコに見ても数字が合わなければならないからだ。この結果、先ほどの質問の答えは「27人」と導き出せる。

この表があれば、たとえば「フッたこともなく、フラれたこともない人は44人」というような情報もすぐにわかる。

整理するというのは、わかりやすくいえば、どこに何があるかわかる状態にすることである。あるいは、必要なときにすぐに取り出せる状態だ。整理がなかなかできない人というのは、箇条書きにしたり、イメージ図(ベン図など)を書いたりすることが多い。

しかし、それでは整理したとはいえない。家の中でも、ただきれいにしておくだけではなく、きちんと整理しておかないと、必要なものを取り出すときに延々と探し回らなければならなくなる。

本当に整理上手な人は、今回の例に限らず「表」をつくって、その中に収納するという視点を持っている。だから、私は社員研修などでもよく、「表」を書くクセをつけるように勧めている。

(ビジネス数学の専門家 深沢 真太郎 構成=田之上 信)

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