スマホ漬けの子は、スマホ漬けの親のせいだ
プレジデントオンライン / 2016年5月5日 10時15分
■小学生の半数近くがスマホを持つ時代
子どものスマホ所持率が急激に高まってきました。小学生ですら半数近くが持ち始めています。理想は持たせないことなのかもしれないのですが、特に中高校生の子どもを持つ親にとっては、その選択肢自体が難しくなっているようです。
中には部活動などの連絡網にSNSのグループメールを利用している場合もあり、親の方もそれを理由に所持を認めざるをえなくなり、折れている現状があります。
保護者同士の連絡網として、または部活動の顧問が連絡網として積極的に利用しているということもあるようです。
いじめの原因の筆頭にSNSを挙げて憂慮している学校側として、どうにも理解しがたい姿ですが、それぞれ事情があるのだと思います。
よって本稿では「スマホを持つ前提」で話を進めていきます。ただ、スマホを持たせるにしても、わが子を「スマホ漬け」にしたい親などいません。親として、どのようにスマホと付き合っていくべきかを考えます。
本稿では、大きく次の提案をします(*(2)~(5)は次回原稿にて掲載予定)
(1)親自身のスマホのルールを決めよう
(2)スマホの使用ルールを相談して決めよう
(3)スマホ使用量は選択性で
(4)親のスマホを貸してあげよう
(5)愛情を伝え、信頼関係を築こう
■スマホ漬けの大人を見て子どもは育つ
対策について論じる前に、まずは現状把握からです。スマホ漬けの子どもたち。「けしからん!」という感じですよね。一体、誰がこんな子どもたちを作ったのでしょう。
この問いの答えは、間違いなく、われわれ大人です。そもそも社会そのものが、大人が、スマホ漬けの状態です。電車に乗れば、乗客の過半数がスマホをいじり、目は画面に釘付け。子連れの親もいますし、子どもたちも乗っています。真剣な表情のビジネスマンがいじる画面をふと見ると、やっているのは人気のパズルゲーム。
この状況で子どもに対し、「スマホばっかりいじっていないで……」「社会で立派な人になるために……」と、どんなに口を酸っぱくして言っても、正直無駄です。赤ちゃんを抱っこしながらスマホに熱中している姿というのも、「当たり前」になってきました。
▼赤ちゃんにもスマホ漬けの大人の影響
![](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/7/e/250/img_7e6802adda0d6558d1778b36a0a831fe6772.jpg)
ある医師の話ですが、近年、赤ちゃんの泣き声が変わってきたとのことです。高い声で泣く子どもが増えたとのこと。つまり、赤ちゃんの泣き声が、叫び声に近くなっているということです。それが、スマホと相関があるというのです。
どういうことかというと、赤ん坊は、常にお母さんの顔を見ます。この時、例えば「抱っこひも」を使っていると、対面しながら両手が使えます。赤ちゃんはお母さんの顔を見ているのに、お母さんはスマホの画面を見ています。
笑いかけてもむずがっても、お母さんは無表情&無反応。困ったことにお母さんには悪気がなく、画面に集中していて気が回っていないのです。この繰り返しで、赤ちゃんは不安定になっていくとのことです。
■わが子の顔を見ないで、スマホをいじる親
この赤ん坊の例は、小中学生や高校生の子どもを持つ親にも当てはまります。目の前に座って子どもが会話しようとしているのに、わが子の顔を見ないで、スマホをいじっていることはないでしょうか。
こういったことが繰り返されていけば、子どもは学習します。「スマホは楽しいものらしい」「自分たちより大切らしい」と。
「そんなことはない」といっても、そう伝わってしまっています。どう思っているかではなく、どう思われているかです。この自覚症状があることがスタートです。ここを意識しないと、スマホに持っていかれます。ただ、これもなかなか難しいものがあります。まず、大人の側が一定のルールを持つことです。
▼親自身のスマホのルールを決めよう
まず、自分自身のルールを決めるところからです。深夜のテレビ閲覧と同じで、親が無制限にやっていれば子どもも真似します。親自身にも、一定のルールが必要です。どんなルール設定をすればいいかというと、「子どもに守らせたいルール」を基本に考えることです。
![](https://president.ismcdn.jp/mwimgs/f/b/250/img_fbb78b926e7b909db75eebb36384e0fc17144.jpg)
例えば、最低限守るべきこととして、先ほどの「子どもと一緒にいる時はなるべくいじらない」が挙げられます。それが難しいなら、音も消して目の付くところから遠ざけることです。
家庭のリラックスタイムを犠牲にしてまでの緊急な用事はまずないと思います。この覚悟が大前提となります。他のルールは、次回以降の原稿で挙げるように子どものルール決定をしながら、親自身のルールを決めていけばいいと思います。
(国立大学附属学校 小学校教諭 松尾 英明)
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