マッキンゼーOB直伝! 誰でもすぐにできる「情報収集10カ条」
プレジデントオンライン / 2016年6月15日 10時15分
今や、残業するほど仕事ができないと思われる時代。限られた時間で最大の成果を出すには──。経営トップ、心臓外科医、3つ星シェフ……斯界のプロにそのテクニックを聞いた。
■毎日、効率よく情報収集するには
資料を作成したり、新しいアイデアを考えるためにも、情報収集は重要な仕事だ。だが、必要以上に時間がかかってしまうという人も多いだろう。
効率的に情報収集するためにはどうしたらいいか。『ゼロ秒思考』『速さは全てを解決する』の著者で、ブレークスルーパートナーズ マネージングディレクターの赤羽雄二氏に話を聞いた。赤羽氏はマッキンゼーで14年間活躍したのち、独立。ベンチャー企業の経営支援や大企業の経営改革などを行う。本業の傍ら、7冊の書籍をわずか1年半という驚異的なペースで執筆している。
効率的な情報収集手段として、赤羽氏は次の10項目を挙げる。
(1)キュレーションツールを活用
手軽に最新情報を入手するためにも、今や必須。だが、赤羽氏は注意しながら使うべきだという。
「Gunosy 、NewsPicks、SmartNewsが3大メディアです。しかし、最近は、つい見たくなるようなタイトルの記事が大幅に増えており、どうしても釣られてしまう。単なる暇つぶしに終わらないよう、ごく短時間にしたほうがいいでしょう」
(2)Googleアラートに言葉を20~30個登録
Googleアラートはインターネット上の新着コンテンツをチェックできる機能。関心のある言葉を登録すると、毎朝関連記事が送られてくる。
「目的意識を持って情報収集をするうえで最適のツールです。ほんの数秒でキーワードを登録できます。仕事にもよりますが、少なくとも20~30の言葉を登録しておくのがおすすめ。例えば、電気自動車に関係があるとしたら、電気自動車、ハイブリッドカー、水素自動車、リチウムイオン電池、燃料電池……という感じで次々に登録します。世界の動きを把握しなければならない人は、英語でのキーワード登録と英語記事の検索設定も必須です」
(3)毎朝記事配信してくれるメルマガを4~5個登録
メルマガを数多く登録している人も多いだろう。ところが赤羽氏はこう話す。
「メルマガは絞って4~5個にすることです。私自身、まぐまぐ!等で数十個登録していたこともありました。ただ、そうなると読むことに時間ばかり取られていつも後悔していたので、大半をカットしました」
(4)Facebookなどのタイムラインを活用
Facebookの友達が数百人、Twitterのフォローが数百人いれば、タイムラインには有益な記事がどんどん流れてくる。赤羽氏はそれを読むと、いわゆるキュレーションツール以上に役立つと言う。
「特にFacebookは、ビジネスツールとして完全に定着しています」
(5)毎朝・毎晩、自宅で30分ずつ記事を読む
「会社では落ち着いて情報収集することができませんし、目先の情報しか追えません。ほかの人が起きていない時間などに自分のスキルアップやキャリア形成に関わる記事などを、範囲を広げて読むことをお勧めしています。30分と区切るのは、面白そうな記事が次々に送られてくるので、そうしないと時間がいくらあっても足りないからです」
(6)あらゆる記事は話半分で。必要に応じ、裏取りをする
「どういった記事でも、すべて話半分で読む。そうしないと、悪意ある記事に騙されます。裏取りができた場合のみ、人に話したり、仕事に使うほうがいいですね」
(7)ノートブックPCおよび大型ディスプレイを使用
タブレットやスマートフォンでばかり情報収集している人は、赤羽氏によれば生産性が非常に落ちるという。
「ノートブックPCと大型ディスプレイを使うのがお勧めです。できるだけ1台のノートブックPCを使うと、単語登録や、デスクトップの使い方、ファイル操作などストレスがなくていいでしょう。大型ディスプレイを使う理由は、余計な操作がなくなり、疲れず、全体を見ながら進めることができるからです」
(8)ブラウザを最適化する
「今、反応が一番速いブラウザはクローム。クロームの初期設定だと、検索結果が10件のみ表示されますが、これだと次のページに行くのが手間で、つい止めてしまう。できるだけ多くの結果が表示されるよう設定を変えましょう。また、検索結果を別ウインドウで開くのもポイント。記事がはずれだと思って閉じたとき、検索結果自体がなくなりません。こういう積み重ねが人の何倍もの情報量につながります」
(9)何でも相談できる相手を確保
「同年齢、5歳上、10歳上、5歳下、10歳下で2名ずつ、何でも相談できる相手をつくっておくことが情報収集や仕事を進めるうえでのバランス感覚を得るためにも重要だと考えています。こういう相手をつくるには、候補者を各世代で5人ずつ選び、個別に夕食に誘ってみる。より一層意気投合できる人が見つかります。その中からメールの返信の早い人を対象にするとよいと思います」
(10)アンテナを高く上げる
最後に赤羽氏は、アンテナを高く上げることの重要性を強調する。
「勉強会やセミナーに月2回くらいは参加するとよいと思います。そこで出会った鋭い方にはメールを出して食事に誘ったりすると、受けてくれることが多いものです。あと、できる限り海外の展示会、カンファレンス等にも参加するといいですね。普段から効率よい情報収集ができますし、情報収集する際にも、人より何歩も先に行くことができます」
▼誰でもすぐにできる 赤羽流「情報収集10カ条」
[1]キュレーションツールを活用
[2]Googleアラートに言葉を20~30個登録
[3]メルマガを4~5個登録
[4]Facebookなどのタイムライン活用
[5]毎朝・毎晩30分ずつ記事を読む
[6]記事は話半分で読み、裏取りも
[7]大型ディスプレイを使う
[8]ブラウザを最適化
[9]何でも相談できる相手を確保
[10]アンテナを高く上げる
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東京大学工学部卒。小松製作所勤務を経て、スタンフォード大学大学院留学、機械工学修士、修士上級課程修了。1986年からマッキンゼー勤務を経て2002年より現職。ベンチャー経営支援、大企業の経営改革、人材育成、新事業創出などの傍ら執筆活動を続ける。
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(Top communication=構成 的野弘路、貝塚純一、太地悠平=撮影)
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