1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

百貨店「友の会積み立て」は本当におトクなの?

プレジデントオンライン / 2016年7月3日 18時15分

お金について考える際、貯蓄や投資で今あるお金を増やすことを考えがちだが、「使うお金を減らす」ということにも同様の経済効果がある。とくにマイナス金利の状況下では、有利な貯蓄商品をみつけるのは難しく、銀行や証券会社以外のところでお得なものがないかを探してみるのもいい。注目したいのは、百貨店の「友の会積み立て」だ。

友の会積み立てとは、百貨店に毎月一定の額を積み立てると、1年後、積立累計額に一定のボーナスを上乗せした金額のお買い物券(商品券)、またはプリペイドカードが受け取れるというもの。多くの有名デパートが行っている。

たとえば毎月1万円ずつ1年間積み立てれば、積立額の累計は12万円。多くのデパートでは、ここに積立額1回分(積立額が1万円なら、1万円)のボーナスが付き、13万円分のお買い物券が受け取れる。

これを年利に換算すると15.38%に相当。メガバンクの1年定期預金は0.01%で、単純比較はできないものの、その1500倍以上もの利率となる。

また預金の利子や株式の配当には税金がかかるが、百貨店積み立ての上乗せ分は非課税。これも有利だ。

三越、東急、阪急、東武、伊勢丹、高島屋、大丸松坂屋など、多くの百貨店が行っており、積立額は月額5000円程度から、1万円、3万円など。伊勢丹など、半年間の積み立てが可能な例もある。

東武百貨店のようにボーナス分が積立額の2分の1回分にとどまる例もあるが、それでもお得度は高い。

さらに積み立てをする人は自動的に「友の会」や「サークル」に自動加入となる例が多く、年数回の優待セール、レストランなどへの優待、カルチャースクールへの優待、オリジナルグッズのプレゼントなど、さまざまな特典が受けられる(会費などはかからない)。東武百貨店では1000円以上の買い物が常時5%引きになり、10万円の買い物をすれば5000円の割引。見逃せないお得度といえる。

とはいえ、本当にお得に利用できるかについては、慎重に考えたい。基本は贔屓にしているデパートがあり、年間数万円以上買い物をしている人でなければメリットは受けにくい。「そのくらいの金額なら洋服や靴、化粧品などを買うだろう」と思うかもしれないが、百貨店以外の店で買ったほうが安いなら、無理に百貨店を利用しても得にならない可能性がある。お気に入りのショップがある、上司や親せきなどに百貨店からお中元やお歳暮を贈っているといった人なら検討の価値がある。

言うまでもないが、商品券があるからといって買う必要のないものまで買ってしまっては本末転倒。積立額も、そのことを踏まえて検討しよう。年間でどの程度利用しているかを振り返り、適切な額で契約するといい。少し抑えめに積立額を決め「使うのはこの額だけ」と決めれば、支出のコントロールにも役立つ。

ちなみに、手にした買い物券やプリペイドカードを金券ショップやヤフオクなどに売る、という方法もなくはないが、買い取り価格は額面金額の5%前後の安い金額が相場となっている。採算はとれるが、手間を考えると判断が分かれそうである。

百貨店積み立ては金融商品ではなく、元本保証や預金保険のような保護制度はない。百貨店が倒産した場合には元本が戻らない可能性があることも知っておきたい。

(フリーライター 高橋 晴美)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください