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仕事がノロくて終わらない。上司は早く帰れと言うけど、どうしたらいい?

プレジデントオンライン / 2016年7月11日 10時15分

仕事や家庭の悩みはすべて解決できる! 京セラ、セブン&アイ・ホールディングス……。世界に名だたる経営者のDNAが息づく「門外不出のノウハウ」を紹介します。

問題:上司は早く帰れと言うけれど、終わらない。どうしたらいい?

■京セラセオリーなら――「処理スピードより見極める力」

仕事がなかなか終わらないのは自分の処理スピートが遅いから、と考えるのは早計だ。京セラの山口悟郎社長が重視するのは処理スピードより、急ぎの仕事を見極める力だ。

「営業をしていると、お客様から要望やクレームが次々に届きます。それらにすべて対応していると、仕事は片づかない。必要になるのは、本当に緊急度の高いものを見抜く力です。たとえば『ラインが止まってしまう』と言われたら何を差し置いても対応しなければなりませんが、『荷物がまだ届いていない』は、出荷しているならそのうちに届くので大慌てで対応しなくてもいい。何が本当に急ぎで、何は後回しでもいいのか。優先順位をつけられるようになれば、仕事全体のスピードは上がるはずです」

緊急度とともに、求められている完成度の見極めも重要だ。

「現実にはすべての仕事にじっくり時間をかけるのは無理。時間をかけて丁寧にやる仕事と、スピード優先で片づける仕事を見極めて、時間を短縮できるところはどんどん削っていく必要があります」

仕事を見極める力は、稲盛氏が再生を手がけたJALでも重視されている。JAL客室本部の瀬貫由美氏は、フライト中の仕事の処理について次のように教えてくれた。

「フライト中、揺れがひどくて客室乗務員も着席しなければいけないことがあります。その時間が長くなると、手順を臨機応変に変えていかないと仕事が終わりません。もちろん時間がないからといってお客様の前で慌てた素振りを見せるのは厳禁。限られた時間でサービスするには、何を先にやるのか、また何をいつもと変わらず丁寧にやるのかを見極めることが求められます」

■セブン思考なら――「現状分析で課題を改善」

セブン-イレブンの鎌田靖氏は、「仕事の遅い人に必要なのは現状分析」と指摘する。

「部下に『早く帰れ』と言うだけでは、残業する代わりに仕事を家に持ち帰ったり、朝早く来るようになるだけ。それでは意味がないので、自分の仕事をすべて書き出させて、手順の適切さやムダの有無を上長と一緒に分析させるようにしています。上長と一緒にチェックすることで課題が見えてくることが多いですよ」

現状分析で浮かび上がってくる課題はいろいろあるが、なかでも改善すべきなのは商談時間だ。

「商談は1時間で設定されることが多いですが、3分の2の40分でやれと指導しています。残りの20分で次の商談の段取りをつければ、その後の仕事がスムーズに進みます」

仕事を効率的に終わらせるためにITツールを活用している人は多いかもしれない。セブン銀行の安齋会長は、ツールに頼ることに懐疑的だ。

「最近はツールの進歩で、サッと文章を書けるようになった。たくさん書けるようになったことで資料が分厚くなってしまった。これでは何が重要なのか見極められず、ムダばかり増えていく。本末転倒です」

いまさら手書きに戻すのは無理がある。大切なのは、伝えるべき情報を見極めて短く表現すること。

「いきなり紙に向かっても、うまくは書けません。僕は電車の中で、どう書けば相手にすぐ伝わるのかを考えながら毎日通勤していました。おかげで資料をつくるだけでなく、ちょっとした時間に手短に報告するのも得意になった。いまも鈴木会長に現状を伝える機会がありますが、僕が話すのは1~2分。それで十分です」

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山口悟郎
京セラ社長。1978年、同志社大工学部卒。京都セラミック(現京セラ)入社。半導体部品国内営業部長、半導体部品事業本部長などを経て2013年から現職。
 
瀬貫由美
日本航空客室本部チーフキャビンアテンダント。客室乗務員歴は20年超。2014年、JALフィロソフィ教育の進行役を務め、社員の意識改革にあたった。
 
鎌田 靖
セブン-イレブン・ジャパン
執行役員オペレーション本部付。中央大学文学部卒。セブンカフェや自社開発商品のセブンプレミアムをヒットさせた。
 

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(ジャーナリスト 村上 敬 的野弘路、尾関裕士=撮影)

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