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小池百合子独占告白「都知事選出馬と父の言葉」

プレジデントオンライン / 2016年7月13日 11時15分

小池百合子氏は、都知事選でも国民の共感を得られるか。

──次の「東京の顔」は誰になるのか。都民ならずとも日本人最大の関心事と言ってもいいだろう。本誌は、都知事選への立候補を表明した小池百合子氏への独占インタビューに成功した。

崖から飛び降りる覚悟で、6月29日に東京都知事選への出馬を表明しました。会見後に“崖から”でいいのかという指摘がありましたが、東京スカイツリーや清水の舞台から飛び降りてでも構いません。私の政治信条である「政治家をやっていると、追い風も向かい風もある。バタッと風が止まるときもある。そのときは、崖から飛び降りてでも自分から風を起こせ!」に従ったのです。2005年の郵政選挙で選挙区を東京に移したときと同じように、思い切った決断ができました。策士だ、絶妙なタイミングだと言う人もいますが、私としてはギリギリのタイミングでした。これ以上遅くなると、政策論争すらできない知名度だけの都知事選になってしまうからです。とはいえ、皆さんもご存じのようにいろいろな風が巻き起こりましたね(笑)。

日本社会では、人と違うことをしようとすると周囲から反対され、杭を打たれてしまうことが多々あります。ですが、時にはイチかバチかの決断をすることで、大きく前進できるのです。これは、ビジネスマンにとっても一番必要なことではないでしょうか。

こういう決断をできるようになったのは、石油関連の仕事をしていた父の影響です。戦後の苦しい時代を生き抜いた自立精神旺盛な父で、「やれることはやりなさい」「失敗したらあなた自身のせい。責任は自分で取るものだ」と、繰り返し聞かされて育ちました。子どもながら、「挑戦して失敗しても自分で責任を取ればいい」と考えるようになっていったのです。父は「新しいところや高いところに突き進まなければ後退あるのみ」「皆と同じことをしていたら安心だけど、奈落に落ちるときも皆一緒。だから自分で這い上がれ」とも言いました。今の私に繋がっている、ありがたい教えです。

■ここが人生の大一番、崖から飛び降りる覚悟で

24年間の議員生活の中で、総務庁の政務次官、経済企画庁の政務次官、環境大臣、防衛大臣、国家安全保障担当補佐官などを務め、行政の実務に関わらせていただきました。25年目を迎える国政への思いもありますが、東京は国の税収の4割を生み出す、日本経済のエンジン的な存在。その首都・東京からなら、これまで温めてきたビジョンを実現できると考えたのです。

舛添要一前都知事の「政治とカネ」の問題で都政が滞り、信頼をなくしてしまいましたが、20年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。一方で、25年には東京の高齢化が恐ろしいほどのスピードで進むと予測され、今から介護難民問題が懸念されています。だからこそ、今と未来の東京を見据えて、経済、環境、少子化対策、社会保障などさまざまな問題を解決していきたいのです。

私のことを環境大臣として「クールビズで夏場のネクタイをやめさせた人だ」と覚えている人もいるでしょう。あれには、ネクタイを外すことで国民の共感を得ながら、「夏場に余分なエネルギーを使わないようにしよう」「地球温暖化を防ごう」という大義に結びつける狙いがありました。私はテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」初代キャスターだった頃から、企業人と接して、政治にもビジネスのような「共感」が必要だと感じたからです。公共事業や補助金でお金をばらまき、派閥で一生懸命汗を流す政治家人生もあったのでしょうが、私は違いました。私にとっては、お金をかけずに、「大義と共感」で日本人の持っている良さをどうやって引き出すかが大事だったのです。そのために、派閥の礼儀作法を最後まで覚えることができず、偉い人からお叱りを受けたものです(笑)。

ビジネスマンも、偉い人をあまり怒らせないほうが出世するのかもしれません。ですが、人生を懸ける大一番のときがきたのに勝負に出ないというのでは、一体何のための人生でしょうか。さあ、私と一緒に、崖から飛び降りましょう、とまでは言いません(笑)。一緒に東京を前に進めましょう。

(東京都知事 小池 百合子 原 貴彦=撮影)

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