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最終決戦!「都知事候補たちのセールスポイント」

プレジデントオンライン / 2016年7月15日 9時15分

スカイツリーから飛び降りる増田氏と崖から飛び降りる小池氏の対決。(時事通信フォト=写真)

注目されている東京都知事選(7月14日告示、31日投開票)は17年ぶりの「保守分裂」選挙に突入する公算が大きくなった。候補者選定が難航していた自民党は、党東京都連が推す増田寛也前岩手県知事の組織力に期待を寄せ、知名度の高い小池百合子元防衛相は無党派層の期待を背に戦いを挑む。それぞれが都知事に就任した場合はどのような都政となるのか。そのメリット、デメリットをいち早く考察する。

■改革派の小池氏と安定感の増田氏

増田、小池両氏の構図は激しい「前哨戦」の末に生まれた。先に仕掛けたのは小池氏だ。小池氏は党都連に相談せずに出馬表明したことが問題視された。激高した党都連幹部は即座に「小池包囲網」を築き、「絶対に叩きのめす」と息巻いた。しかし、小池氏を連日糾弾する姿を見せられた世論は小池氏支持になびく。世論調査では小池氏のほうが人気が高く、候補者選考レースは「小池氏対党都連」の構図となった。

小池氏は7月5日に党都連の石原伸晃会長に正式に推薦を要請した。しかし、10日投開票の参院選後に結論を先送りする考えを伝えた石原氏に対し、SNS上で「ジャンヌ・ダルク」とも評された小池氏は反発。あらためて出馬を表明した。環境相就任時の宰相である小泉純一郎元首相は「党が推薦していなくても立候補するのは度胸がある」と小池氏にエールを送った。

防衛相、首相補佐官(国家安全保障担当)、党総務会長など重要ポストを務めた小池氏の売りは「決断力」と「率先力」だ。環境相時代に提唱したクールビズは定着し、第一次安倍晋三内閣で取り組んだ国家安全保障会議(日本版NSC)は第三次安倍内閣で欠かせない司令塔となっている。第一次安倍内閣の閣僚経験者は「小池氏は抵抗が強い政策でも世論の支持を背景に実現に結びつける能力に優れている」と評価する。

小池氏が都知事に就任した場合に壁となるのは都議会自民党との関係だ。都議会で多数を占める自民党は増田氏擁立の中心で、根回しが上手くない「小池新知事」とは対立することが予想される。世論の支持が高くても、政策や人事案件がすんなりと進む保証はない。この点は小池氏も想定しており、小池氏は都議会の「解散」という奇策に打って出る構えを見せるが、都議選後も議席比率が変わらなければ都政の停滞は免れない。

いっぽう増田氏の場合はどうか。岩手県知事を3期務め、総務相を経験した増田氏は、「安定感」と「地方行政の明るさ」がセールスポイントだ。実務能力の高さに定評があり、民進党都連からも候補者選考で名があがった。

舛添要一前知事の辞任で負の連鎖を避けたい自民党都議団は増田氏の擁立方針を決め、都内23区の首長でつくる特別区長会の有志からも支持を受ける。抜群の組織力で「増田新知事」が誕生すれば「都政の運営や区長との関係は心配がない」と党幹部も太鼓判を押す。増田氏は人気投票となりがちな都知事選で政策論争に持ち込みたい構えで、政策集づくりには余念がない。

不安視されているのは、これまでの増田氏の主張との整合性だ。増田氏は総務相時代、大都市に偏っていた法人関連の税収を地方に再分配することを提唱。地方税の一部を国税に衣替えし、地方に配る税制にした。この改正による東京都の減収は年間2000億円近くに上る。秋田県の佐竹敬久知事は記者会見で「地方創生で東京都をいかに小さくするかを主張してきた人が都知事になると矛盾する」と指摘。SNS上では、「岩手県知事時代に借金を2倍にした」「外国人参政権に賛成」と、危惧する声が目立つ。増田氏は今回の出馬を「スカイツリーから飛び降りるような覚悟」としており、こうした懸念を払拭できるかが問われそうだ。

政界では「改革派の小池氏」と「安定感の増田氏」の戦いになると見ており、今回の都知事選は歴史に残る激しい接戦になると予想する。保守が分裂した17年前の都知事選は知名度がある候補者が勝利したが、今回はどういう展開を見せるのか。その動向が結果を大きく左右する無党派層の票の行方に注目が集まる。

(時事通信フォト=写真)

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