1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

小池百合子新都知事「待機児童ゼロ、保育の質向上」の実現なるか

プレジデントオンライン / 2016年8月3日 12時15分

初登庁の小池百合子新東京都知事(写真=AFLO)

■「片隅に置かれていた女性政策を本気でやります」

稀にみる混戦を勝ち抜いて、14兆円近くの予算(一般会計、特別会計、公営企業会計を含む)を握り、約16万人の公務員を従える東京都知事に就任した小池百合子都知事。政党や大きな組織の援護がない中で、290万票超を獲得し、いよいよ小池都政がスタートする。

選挙戦終盤には、石原慎太郎元都知事から「厚化粧女に(都政を)任せるわけにはいかないよ」などと、女性蔑視ともとれる発言が話題となったが、小池氏は街頭演説の中で、

「これまで片隅に置かれ、アリバイづくりのように政策に記載されてきた女性政策を、本気でやります。意思決定のトップにさせてもらえれば、すぐにやります」

と明言。決して屈することのない姿勢が、さらなる女性からの人気にもつながったようだ。“初の女性都知事”ということで、女性を中心に期待する声や責任を果たして欲しいという声があがっているが、いったいどんな女性政策を掲げていたのか。ここで改めて振り返ってみよう。

まず、今回の都知事選で掲げていた3つの「新しい東京」の中の「ダイバーシティ」(多様性)政策の中で、<女性が健やかに希望を持って、生き、学び、働き、愛し、子供を産み、育む社会を実現する>と主張している。

6月29日の出馬表明会見から、

「(社会が)女性が輝くということで進めておられますけども、それを体現できるのが東京の『女性知事』ではないかと思っています」

と強調。自らが女性のトップリーダーになることで、女性に対する風向きを変えていこうということだ。世界に目を向けてみると、ドイツではメルケル首相が10年以上首相を務め、イギリスではメイ首相が誕生し、米国ではヒラリー・クリントン氏が大統領選を戦っていて、多くの女性が活躍している。だが、日本では政界だけでなく企業でも女性のトップは少なく出遅れているので、女性が輝くために、自らがロールモデルとなるというのだ。前例のない女性都知事のため、まだまだ未知数だが、就任した今、期待の眼差しが向けられている。

さらに、公約として<「待機児童ゼロ」を目標に保育園受け入れ年齢、広さ制限などの規制を見直す。保育ママ・保育オバ・子供食堂などを活用して地域の育児支援態勢を促進する>と主張している。保育園の規制緩和策を打ち出し、保育所を確保するためには、空き家などを利用した小規模保育所なども有効だというのだ。

■「都民による都民のための都政」を実現できるか

また、保育所を確保するというハード面だけでなく、保育士の働く環境を改善し、給料のアップだけでなく、保育ママなどを活用していきたいという。

そして、子育て支援として乳児用の「液体ミルク」の国内製造を訴え、普及に尽力している。赤ちゃんを育てるために第一には母乳だが、日本では粉ミルクを使うことが多い。とはいうものの、世界各国では、水やお湯が不要で、そのまま赤ちゃんが飲める「液体ミルク」が製造販売されていて、水がでなかった東日本の大震災や熊本地震の非常時には、小池氏が会長を務めていた日本フィンランド友好議員連盟を通じて、フィンランド製の液体ミルクを支援物資として提供して重宝されたという。街頭演説の中で、

「子供のため乳児のための液体ミルクを、日本で製造できるようにしたい。そんな細やかな心遣いが都民の皆さま方の心をつかんで、ああ、東京で良かった、そして東京でもっと元気で働きたい、子育てをしたいという方がもっと増えてくると思っています」

と、繰り返し訴え、日本での製造販売を願っているママさん達と、すでに連携をとっている。その他にも、街頭演説などで、

「子育てなのか、仕事なのか、思い悩んでどっちかを選ばなければならない。そんなことをやっているのはこの日本だけですよ。そして子供さんを預かるところがなかなかなくて、日本死ね、なんという言葉が言われております。そんな育児に関する課題、私は女性の観点から、ぜひ働く女性も子育てをしっかりやりたい女性も、そして子育てで頑張りたい保育士さんも、みんなが納得し、安心できるような、そんな東京にしていきたいと思っております」

などと言い、女性の働き方や現状を分析しながら、訴えている姿が印象的だった。

これらの主張などで、都民から信任された小池氏だが、出馬をめぐって“目の敵”にされていた石原伸晃・自民党東京都連会長や、都議会のドンといわれる内田茂氏ら自民党都連幹部らと、どう折り合いをつけて都政を動かしていくのかが注目されている。

とはいえ小池氏は、「クールビズ」などの斬新なアイディアで、ネクタイを外すことで国民の共感を得ながら、「夏場に余分なエネルギーを使わないようにしよう」「地球温暖化を防ごう」という大義に結びつけてきた、大義と共感を集めてきた政治家だ。「都民による都民のための都政」となるよう、今後の舵取りに期待したい。

(プレジデント ウーマン編集部 AFLO=写真)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください