1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

仕事のプレッシャーと、どう向き合えばいいか

プレジデントオンライン / 2016年8月20日 6時15分

仕事や家庭の悩みはすべて解決できる! 京セラ、セブン&アイ・ホールディングス……。世界に名だたる経営者のDNAが息づく「門外不出のノウハウ」を紹介します。

問題:部署の成績を左右するビッグプロジェクトを任された。どう向き合うべき?

■京セラセオリーなら――「困難から逃げない」

重要なプロジェクトを任されることになり、かつてないプレッシャーがのしかかる。稲盛和夫氏が創業した京セラならどう対処するのか。

京セラ社長の山口悟郎氏は、「社会人がプレッシャーを感じるのは当たり前のこと」と指摘する。

「社会人は自分の仕事に責任を持っています。プレッシャーは避けられないのだから、そこから逃げるのではなく、どうすればうまく付き合えるのかを考えるべきです」

プレッシャーに立ち向かうにはどうすればいいのか。山口社長は「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」という京セラフィロソフィを紹介してくれた。

「『自分は必ずこの山を登れる』と楽観的にとらえることが大事です。いったんプレッシャーを軽くしたうえで、次の計画段階ではプレッシャーを逆に利用して、悲観的な目でリスクを洗い出して対応策を立てます。実行段階では『事前にできることはすべてやったのだから大丈夫』と、ふたたび楽観的にとらえて前に進んでいく。プロセスによって楽観と悲観をうまく使い分けることで、プレッシャーとうまく付き合えるはず」

とはいえ、計画を実行していくと想定外のことが起きて、楽観的な気分を打ち砕かれることは多々ある。精神的に追い詰められてしまったときは、どうすればいいのだろうか。

「どうしてもキツければ、動けなくなる前に休めばいいでしょう。ただ、回れ右をして帰ってはダメ。いつかは山を登りきるんだという思いでその場にとどまり、力を蓄えるのです。私も営業時代、難攻不落のお客様の担当になり、精神的に追い込まれたことがあります。小休止を挟みつつアプローチを続けて、最終的にはそのお客様と一緒に飲みに行くほど仲良くなった。その段階に行くまで約2年。ときに立ち止まりつつも、逃げない姿勢が大切なのです」

■セブン思考なら――「4回失敗も挑戦する」

一方、鈴木敏文氏が会長を務めるセブン&アイ・ホールディングスではプレッシャーをどう乗り越えるのか。セブン-イレブン・ジャパン取締役常務執行役員商品本部長の鎌田靖氏は、部下に「失敗を恐れるな」と指導している。

「萎縮して消極的になるのはよくない。弊社は失敗を恐れずに挑戦しやすい風土があると思う。鈴木敏文会長は自ら新しいことにチャレンジしたことに対しては、たとえ失敗したとしても責めたりしません」

セブン&アイグループにおいて失敗がマイナス評価にならないことは、鎌田氏自身の経験が証明している。セブン-イレブンは2013年から「セブンカフェ」を展開して大成功させた。しかし、それ以前に店頭でのコーヒー販売に4度挑戦しており、4度とも定着には至らなかった。指揮を執っていたのが、当時マーチャンダイザーとして担当していた鎌田氏だった。

「4回目の挑戦では導入店が2000店まで広がったのですが、思ったより売れず、最終的には断念しました。その次の担当者が苦しんで生み出したのが、いまのセブンカフェです。私は失敗続きでしたが、原因を突きとめて次に活かせと言われただけで、責任をとらされることはなかった。失敗を責める空気があれば、私は何度も挑戦できなかっただろうし、あとから手を挙げて『自分にやらせてくれ』という社員も出てこなかったでしょうね」

プレッシャーをいい意味での緊張感に変えて、失敗を恐れずに挑戦する。それがセブン流だ。

----------

山口悟郎
京セラ社長。1978年、同志社大工学部卒。京都セラミック(現京セラ)入社。半導体部品国内営業部長、半導体部品事業本部長などを経て2013年から現職。
 
鎌田 靖
セブン-イレブン・ジャパン
執行役員オペレーション本部付。中央大学文学部卒。セブンカフェや自社開発商品のセブンプレミアムをヒットさせた。
 

----------

(ジャーナリスト 村上 敬 的野弘路、尾関裕士=撮影)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください