売り上げが下がってしまった。まず何から見直すべき?
プレジデントオンライン / 2016年9月7日 6時15分
仕事や家庭の悩みはすべて解決できる! 京セラ、セブン&アイ・ホールディングス……。世界に名だたる経営者のDNAが息づく「門外不出のノウハウ」を紹介します。
問題:努力しているのに売り上げが下がってしまった。なにから改善したらいい?
■京セラセオリーなら――経費を最小に
京セラやJALでは、「売上を最大にし、経費を最小に」というフィロソフィが組織に浸透している。売り上げを増やして経費を減らせば利益が増えるというのは、経営の基本中の基本だ。ただ、これを現場レベルで意識し、実践している会社は多くない。
「かつてのJALもそうだった」と明かすのは、客室乗務員歴20年超の瀬貫氏だ。
「コストを考えるようになったのは稲盛和夫会長(現・名誉顧問)がきてから。たとえばのどが渇いたときにも機内のペーパーカップを使わず、自分たちで小さな水筒とコップを持ちこむようになったし、機内で使うごみ袋も、丸ごと捨てるのではなく、中のごみを備えつけのゴミ箱に移して再利用するようになりました。一つ一つは小さな節約ですが、それらの積み重ねが利益につながることをいまではみんなが理解しています」
実践されているのは、経費の最小化だけではない。機内販売も、現在は工夫をしてやるようになった。
「積極的にやるといっても、無理におすすめしては不愉快な思いをさせてしまいます。私たちにできるのは機内販売の雑誌をお読みのお客様にさりげなくお声がけするくらいですが、お客様から商品説明を求められたときにお応えできるようにあらかじめ勉強したり、化粧品のサンプルを自分で使ってみるといった事前準備は可能です。こういったことをやるようになったのは、やはり『売上を最大にし、経費を最小に』という明快なフィロソフィの影響が大きい」
■セブン思考なら――「現場」と「ニーズ」を見直す
一方、セブン思考では売り上げや利益をどうとらえるか。仮に、ある商品の売り上げが前年比で5%下がったとしよう。このときお客様が変化しているのに自分たちが変化せず、ズレが生じたと解釈するのがセブン思考だ。鎌田氏が解説する。
「お客様のニーズは変化します。それを読んで、ぴったりしたものを提供できれば売り上げは前年比100%。お客様の潜在的ニーズをとらえて、それを顕在化することができれば100%以上です。逆に5%下がったのであれば、お客様の変化に気づかずに同じことを繰り返していたか、変化を読み間違えていたかのどちらかです」
では、どうすればお客様の変化を的確にとらえられるのか。それには「お客様の立場になって考えること」が欠かせないという。
「たとえば、物流に何か課題が見つかったとき、私たちや運送会社、取引先はそれぞれの立場からお客様のことを考えがちです。それではお客様の立場で考えたことにはならない。こちらの事情は関係なく、あくまでもお客様から見たらどうなのかと考えることで、お客様のニーズが浮かび上がってきます。これは鈴木(敏文、現・名誉顧問)が40年間、変わらずに言い続けていることです」
お客様の立場で考えて商品開発したのに売り上げが減っていれば、商品開発以外のところでズレが生じている可能性もある。
「鈴木からよく指導されるのは、商品を開発して終わりではなく、現場に行って検証しろということ。お客様のニーズに応える商品をつくれても、売り場がお客様の立場で考えられていなければお客様に届かないかもしれません。もし現場でそれに気づいたら、店舗の運営部門であるオペレーション本部と徹底的に議論します。そこに遠慮は不要。まあ、いいかで済ませようとするから数字が悪くなるのです」
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日本航空客室本部チーフキャビンアテンダント。客室乗務員歴は20年超。2014年、JALフィロソフィ教育の進行役を務め、社員の意識改革にあたった。
セブン-イレブン・ジャパン執行役員オペレーション本部付。中央大学文学部卒。セブンカフェや自社開発商品のセブンプレミアムをヒットさせた。
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(ジャーナリスト 村上 敬 的野弘路、尾関裕士=撮影)
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