「自分へのご褒美」は、退職後に失敗する典型的パターン
プレジデントオンライン / 2016年11月10日 15時15分
「いつも自分は損ばかりしている気がする」そんな人は、ここに挙げるような行動をしている自覚はないだろうか?
■「自分へのご褒美」が口癖である
定年間近のAさんが、以前から退職金が出たらやりたいと思っていたこと、それは豪華客船での世界一周クルーズ。
「いままで苦労して働いてきたんだ。妻と自分へのご褒美だ! バチは当たらないだろう」。気持ちはわかりますが、残念ながらこれは退職後に失敗する典型的なパターンです。
おそらくサラリーマンにとって退職金は大事な老後の資金のはず。2000万円の退職金のうち300万円を旅行に使ったら、マイナス15%から老後生活を始めなければいけません。これは非常に不利です。なぜ人はこんなことをしてしまうのでしょうか。
実は人の心の中にはいくつもの財布が存在しています。これを行動経済学では「メンタルアカウンティング」(心の財布)といい、合理的ではない行動を生み出す原因になっていると考えられています。心の中に「自分へのご褒美財布」を持つのはやめましょう。もし豪華な旅行に行きたいのなら、何年か前から旅行費としてコツコツと積み立てておくべきでしょう。
この「メンタルアカウンティング」をうまく利用している商品があります。一定期間入院しなかった場合にお祝い金が出るタイプの保険です。一見、「保険会社負担でお祝い金がもらえる!」ようにも感じますが、それは勘違い。
あのお祝い金の分は、毎月払っている保険料にしっかり上乗せされている、つまりあなたの財布から出たお金です。
お得そうな言葉に惹かれて、逆に損しないよう要注意です。
----------
1952年、大阪府生まれ。野村証券で個人資産運用、企業年金制度のコンサルティングなどを手掛ける。2012年、オフィス・リベルタスを設立。行動経済学の研究からその問題点や解決法に切り込む講演・セミナーが人気を博している。『その損の9割は避けられる』『老後貧乏は避けられる』など著書多数。
----------
(経済コラムニスト 大江 英樹 中尾美香=構成)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
株価乱高下でも平常心を保つヒント。損切りとパニック売りの違い、プロスペクト理論、参照点依存性...
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月7日 10時45分
-
なぜ定年退職者は"銀行の別室"で絶対NGの金融商品を買うのか…退職金数千万円が半減も泣き寝入りのワケ
プレジデントオンライン / 2024年7月29日 6時16分
-
「75歳で年金受給なら額は1.84倍でも、早死にしたら損」そう考える人にFPが即答する納得の"後ろ倒し"の効果
プレジデントオンライン / 2024年7月29日 6時15分
-
60代で貯蓄3000万円を目指すために考えておきたいこと3つ
オールアバウト / 2024年7月26日 12時20分
-
「なぜか解約できない…」行動経済学の専門家がサブスクを継続してしまう巧妙な仕掛けを明かす
Finasee / 2024年7月9日 13時0分
ランキング
-
1経営者目線 日銀利上げでも「長期円安トレンド」は変わらず ワタミ酷暑で「夏宴会」好調
zakzak by夕刊フジ / 2024年8月7日 6時30分
-
2大暴落から一転…まさに“ジェットコースター” 過去最大の株価上昇 歴史的な乱高下に投資家は一喜一憂 株価を左右する米景気の動向は?【news23】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年8月7日 12時30分
-
3ホンダ、コンパクトカー「フィット」リニューアル 「本当にデザインが良いよなぁ」SNS期待の声
J-CASTニュース / 2024年8月5日 7時10分
-
4午前のドルは147円台へ一時上昇、上下3円超の急変動
ロイター / 2024年8月7日 12時17分
-
5東京円、一時1ドル=147円台に…日銀・内田副総裁の「利上げすることない」発言受け
読売新聞 / 2024年8月7日 11時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください