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トランプバブル到来!「今すぐアメリカ株を買え!」

プレジデントオンライン / 2016年12月6日 15時15分

11月9日、勝利宣言を行うトランプ氏。(時事通信フォト=写真)

かつてないほど世界中の注目を集めた米大統領選が終了した。選挙中は「政治経験ゼロのトランプ氏が米大統領になれば、米国の経済は崩壊する」などとも言われていたが、実際はどうなのか。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子氏は次のように語る。

「たしかに、トランプ氏の当選が濃厚となったとき、一時は1ドル101円台まで円高ドル安が進み、日経平均も1万6111円と、前日の終値から1000円超の下落を見せました。日経平均の下げ幅が1000円を超すのは、イギリスのEU離脱が決まった6月24日以来のこと。やはり、トランプ大統領の誕生にはそれくらいのショックがあったということでしょう。しかし、その後状況は一転。トランプ氏の当選確定後は、5カ月半ぶりに1ドル110円台の円安に。日経平均も今年1月以来の1万8000円台を記録しました。米国でもNYダウ平均株価が前日比256.95ドル高の1万8589.69ドルの終値に。これは2カ月半ぶりの高い水準です。私が思うに、この結果はトランプ氏の『勝利宣言』の内容が『意外とまとも』だったからではないでしょうか。もちろん、新大統領誕生時に一時的に景気がよくなり、翌年下がる……というのは恒例の動きなので、この状態が長続きするとは思いません。ですが、トランプ氏が標榜する政策を見る限り、投資家にとって悪いものではありません。政治経験がないことで、投資家が嫌う『不確実性』というリスクは依然としてありますが、彼のビジネスマンとしての手腕には期待できるのではないでしょうか」

早稲田大学招聘研究員の渡瀬裕哉氏も、トランプ大統領誕生による好景気を支持する一人だ。「トランプ大統領誕生で米国経済大崩壊、というトンデモない事前予測が間違っていたことが証明された」とこの結果を見ている。

「今後米国はトランプバブルとも呼べる好景気を迎えるでしょう。トランプ次期大統領と上下両院議会の協力関係が経済に与えるプラスの影響は非常に大きい。さらに、共和党は経済成長を重視し、『減税』と『規制緩和』を金科玉条とする、『小さな政府』を標榜する政党です。民主党的な格差是正ではなく、社会全体の富を増やすことで貧困をなくそうとしています。具体的な経済政策としては、所得税の簡素化・引き下げ、法人税の引き下げ、米国本国への資金還流に課す税金の引き下げ、ドット・フランク法の廃止や環境規制撤廃などのビジネス促進政策が掲げられています。さらに、トランプ氏は道路、橋、鉄道、港、空港などの巨額のインフラ投資を有権者に約束しています。共和党自体は、財政規律を重んじる傾向にあり、公共事業による支出拡大を嫌いますが、これも民間資金を利用したインフラ整備策であるPPPを促進することでクリアできます。トランプ氏は、民間資金やノウハウを上手に活用することで、選挙公約を果たしていくでしょう」(渡瀬氏)

さすが米国で大成功したビジネスマン。トランプ氏の経済政策は景気刺激策てんこ盛り、と言えそうだ。しかし、懸念すべき点もある。

「減税、規制緩和、民間資金の活用、オバマケアの見直しなど、小さな政府を積極的に志向する政策は、ビジネスマンの感覚を持ったトランプ氏のリアリスティックな成長戦略と言えます。ただし、TPPに関しては米国にとって経済的なメリットがあまりないということもあり、現状維持(TPP離脱)となったのでしょう。また、中国の為替政策に対して、表面的にはトランプ氏・共和党ともに強い姿勢を示していますが、米中関係が悪化すると考えるのは早計。むしろ、為替操作懸念や輸出補助金の廃止などが問題化するほど、中国はかつての日本のように米国への企業移転を進める可能性があります。その結果として、中国からの対米直接投資が増加し、米中関係が実質的に密接になっていくことも考えられる。さらに、トランプ政権とFRBとの利上げを巡る綱引きも、懸念すべきと言えるでしょう。日本がトランプ政権の経済成長路線の恩恵に与れるかは、安倍政権の外交手腕次第です」(同)

(ライター 大高 志帆 時事通信フォト=写真)

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