1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

有力トップが大予測!「2017年、日本経済はトランプ・ショックを乗り越えられるか?」

プレジデントオンライン / 2017年1月12日 9時15分

2017年1月5日、東京・ホテルニューオータニで開かれた経済3団体の新年祝賀パーティー。

■「景気はよくなる」「大改革の年になる」

波瀾の年といわれる酉年。東京証券取引所では4日の大発会で米国や中国の景気改善に対する期待感から全面高となり、日経平均株価は大幅反発、終値は前年末比479円79銭高の1万9594円16銭で、昨年末の終値を上回った。

大発会としては1996年以来の高値で、上げ幅も96年以来の大きさ。しかしその一方で1月20日にはアメリカ大統領にドナルト・トランプ氏が就任する。トランプ氏はこれまで極端な保護主義をとる可能性を示唆してきた。仮にそうなれば、日本経済は計り知れないダメージを受ける可能性がある。果たして財界人たちは2017年をどのような年だとみているのか。

2017年1月5日、東京・ホテルニューオータニで開かれた日本経済団体連合会、日本商工会議所、経済同友会の経済3団体の新年祝賀パーティー(参加者は約1900人)で主要企業のトップたちに話を聞いた。

昨年11月には業績と配当の見通しの上方修正をした大和ハウス工業の樋口武男会長兼CEOは今年も強気だ。

「一字で示せば、今年は“翔(しょう)”、羽ばたく年だと思っています。景気はよくなる。トランプリスクなんていわれているけれども、トランプ氏は選挙でいっていたことは変わってきている。大統領に就任したら、また変わる可能性がある。あんな過激なことはできないと思います。景気を極端に悪くしたり、よくしたりするようなことはない。しばらくはいい方向でいくでしょう。でないと長くもちませんから」

トランプ政権の動向次第だとみるのは経団連の名誉会長でキヤノン会長兼CEOの御手洗冨士夫氏だ。

「今年は今までに比べれば景気はいいだろうと思います。しかしいろいろ不透明なところもあります。トランプが20日に何を話すかによって変わってくるんじゃないでしょうか。トランプがこれまで主張してきたような極端な保護貿易が本当にできるのか、私は正直疑問ではあります。ただアメリカがカギになることは確かです」

4月1日に向けて東燃ゼネラルとの経営統合を控えているJXホールディングスの名誉顧問で日本経団連の審議員会議長を務めた渡文明氏は「大改革の年になる」と予言する。

「大改革の年になると思います。特にアメリカはそうした動きが強くなると思います。アメリカは保守が続くと、改革を求めるようになる。トランプ氏が大統領に選ばれたのもそうした動きからでしょう。トランプ大統領は20日の就任時の発表にもよりますが、いきなり大ナタを振るうようなことはせず、前半は慎重にいくと思います。経済にはフォローの風が吹いて順調にいくと思います」

■デフレを脱却できるいい年になる

昨年末に大幅な人事の刷新を行い、4月1日からは三井住友フィナンシャルグループの社長に就任する國部毅三井住友銀行頭取は「経営はリスクとチャンスを両にらみで運営していく1年になる」と語る。

「不確実性の高い1年になると思います。ただポジティブな要因は多いと思います。アメリカ経済は強いし、日本経済は緩やかな回復基調にある。中国経済も新興国経済も昨年の後半から少し改善してきている。基本的には前に進んでいく年になると思います。ただリスクファクターもたくさんあります。トランプ次期大統領の具体的政策がどうなるのか、特に貿易面です。保護主義という動きがどこまでいくのか、欧州の政治、中国経済の変調、こういったリスクがいくつかありますので、リスクが出てきた場合はリスクオフ(よりリスクのない安全な資産に資金が向かうこと)になる可能性はあります。ただ、ベースとしては明るいし、前に進んでいく年になると思います。経営としてもリスクとチャンスを両にらみで運営していく1年になると思います」

三井住友銀行はトップ人事の交代で国際畑の高島誠専務執行役員を次期頭取に内定した。

「三井住友銀行の成長を考えた時に、国内でも伸ばしていくのですが、より多くのチャンスがあるのは海外業務なので、トップに必要な資質は、国際感覚とグローバル感覚、そして市場感覚です。そんな点を重視して後任を選んだのですが、当然、今年には大きな期待を寄せています。特にアメリカは、大きく経済が成長する可能性があるので、チャンスは大いにあるんじゃないかと思います」(國部三井住友銀行頭取)

桜ゴルフの佐川八重子社長は若者にとってはチャンスの年になるという。

「世の中が混とんとしているから大人たちがあきらめている。若い人は参入するチャンス。私たちの会社は今年で48年になり、なんとか生き延びてきましたけれど、今年は心機一転で頑張りたいと思います」

サントリーホールディングスの社長に就任して3年目となる新浪剛史氏はデフレ脱却のいい年になるという。

「2017年4月は各社いい業績見通しになりそうですし、賃金上昇すると思います。2018年も5年連続でやるんじゃないかと思っています。いいモデル感ができてくる年になると思います。実績ベースで3%ぐらい上げたいと思っています。悪性のデフレを上回る賃上げができれば、それは解消できると思います。デフレを脱却できるいい年になると思います。ただこれは他力本願ではなくて、やらなくてはだめです」

(ジャーナリスト 松崎 隆司)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください