株価回復の神戸製鋼「今こそ」買うべきか
プレジデントオンライン / 2017年11月21日 15時15分
■時価総額で1800億円が失われたが……
今年8月末に神戸製鋼グループの品質データ改ざんが判明した後、1400円近かった株価は800円付近まで下落し、時価総額にして1800億円が失われた。
だが、その後株価は持ち直している。11月6日現在の株価は1090円(編注:11月20日の終値は1029円)。株価が回復している理由は、市場が神戸製鋼の株価を下振れしすぎていると判断しているからだ。
神戸製鋼の発表に基づいて同社が負担するコストを想定した場合、かなり厳しめに想定しても、時価総額の消失規模である1800億円の範囲内に収まる可能性が高い。時期は明確に言えないが、現時点での判断材料からは理論値として1150円程度の株価はあってもいいだろう。
■安全性のテストはクリア
過熱している報道の印象から、「神戸製鋼の発表は信用できない、不正がさらに広範囲に及んでいたらコスト負担は増えるのではないか」と感じる方も多いだろう。
だが実際は、安全性検証の進展とともにデータ改ざんの対象になった部品の多くで、国内の自動車メーカーなどが今回の問題を受けて再度実施した安全性のテストをクリアしている。
■リスクは海外企業との訴訟沙汰
契約上の品質をクリアできていない、という点でリスクは残るが、自動車メーカーなどが設定した安全性の基準をクリアしていれば、リコールのリスクはそれほど高くない。
一方で海外企業との訴訟に発展するリスクはあり、どれだけの規模になるかは未知数だが、過去の類似事例と比較しても重大事故に結びついておらず、事業継続に影響があるほどのコストは想定しにくく、株価は下がりすぎた印象が強い。
市場は不正による影響を問題発覚当初から織り込んでおり、現在は重く見すぎた影響を見直す最中だ。今回の問題を、鉄鋼業界の再編などに結びつけるのは尚早だろう。
とはいえ、本格的な株価上昇に向けては再発防止策やガバナンス体制の見直しなど抜本的な対策が必要だ。
(JPモルガン証券 アナリスト 森 和久 構成=吉田洋平)
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