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一流は師走に自分の"10大ニュース"を書く

プレジデントオンライン / 2017年12月19日 9時15分

なにかと慌ただしい12月。ぼーっとしていれば、すぐに新年となってしまう。経営コンサルタントの小宮一慶氏は、「一流の経営者は、12月に『自分の10大ニュース』を作っている」という。その狙いは、自分が「人生のステージ」を上がっているかどうかを確認するため。今年、あなたの「人生のステージ」は上がったか――。

■人生のステージを着実に上がっているか自問自答

以前、この連載で、「なれる最高の自分になる」ということの大切さをお話しました。自分史上最高の自分を目指す。その意識・姿勢を持ち続けることが「自己実現」の大前提になると私は考えています。

では、どうすれば、「なれる最高の自分」を実現できるのか。まずは、自分が今、最高到達地点に向けて、着実に「人生のステージ」が上がっているかを確認することが重要です。

「なれる最高の自分」を目指していても、そのプロセスに対して、自分自身がリアリティを感じ熱意を抱いていなければ、それはただ単に口で「頑張っている」というのと同じだからです。それでは、意味がありません。

そうならないためには、「なれる最高の自分」を意識しながら、年頭などに1年間の目標を立てることが大切です。その目標に沿って行動することで自分は変わったかどうか。つまり自分の「人生のステージ」が上がっているかどうか。それを、年末に確認するのです。

▼人生のステージを上げるための「必要・十分条件」とは

「人生のステージが上がる」とは、例えば、こういうことです。

「今までできなかったような仕事ができた」
「会う人のレベルが上がった」
「行ったことのなかったところに行くことができた」

仕事でおつきあいのある顧客、同僚、世間からの評価が変わったかどうか、評価が上がったかどうか。そうした「他人の目」もステージが上がったかどうかの尺度になるでしょう。

自分の内面の考え方や行動、習慣が変わったと、自己認識することも大切ですが、それは「人生のステージ」を上げるための必要条件です。十分条件も満たさなければなりません。十分条件は、そのことによって顧客、働く仲間、ひいては世間からの評価が上がったどうかということだと私は考えます。言い方を換えれば、アウトプットの質や量が上がって、自分に対する評価が上がったかどうかということです。

客観的な評価の高まりや、アウトプットの質・量の向上。それを実感できる有効な手段のひとつが「自分の10大ニュース」です。

■今年の「自分の10大ニュース」が来年の糧になる

師走は慌ただしいです。あっという間に時間が過ぎ去って、気づけば、クリスマス、それが終わればもう大みそか、お正月となります。そんなバタバタした時期ですが、なんとか時間を作って、自分の1年をしっかり振り返ってみるということはとても大切です。

1年365日。年初のことはもう忘れてしまっていることもあるかもしれませんが、手帳を見返すなどして振り返るといろんなことを思い起こすことができると思います。

私は、毎日欠かさず日記を書くようにしています。これは日々を振り返るための習慣ですが、数年前から、年末になると「10大ニュース」をその年に使った手帳に書くようにしています。

1年間に起こった自分にとって大きな出来事や前述した「人生のステージが上がった」と実感できた事柄を書き出し、それに1から10番まで順番をつけているのです。仕事上のこともありますし、プライベートのこともありますが、それがけっこう面白いのです。

▼去年と今年、10大ニュースの推移も確認

ちなみに、2017年の私の「10大ニュース」は、

「モンゴル企業に頼まれてウランバートルで講演した(現地の人が私の書籍などを読み、直接話を聞きたいと言ってくれた)」
「2018年4月から始まるNHK朝の連ドラ(※)の仕事にかかわった」

※NHK朝の連続テレビ小説『半分、青い』は、岐阜県と東京を舞台に、何ごとにも失敗を恐れないヒロインが、高度成長期の終わりから現代までを七転び八起きの精神で駆け抜け、やがて一大発明をなしとげるまでの約半世紀の物語。主演は永野芽郁さん、脚本は北川悦吏子さん。

などです。他人がどう感じるかは関係ありません。あくまで自分自身の“ニュース”です。手痛い失敗のエピソードがランクインしてもいいでしょう。それは、来年以降の自分の「糧」になるのですから。

なぜ、私がこの「自分の10大ニュース」づくりに興味を持つようになったか。先に述べたように、それを書くことが1年の振り返りの時間になるになり、ひとり反省会になることで得られる気づきが多いのです。毎年10大ニュースを作っていると、去年に比べてどうだったかなど、自分の「人生のステージ」が上がっているかどうかの推移も確認できます。

■一流の経営者やリーダーは「1年」を必ず振り返る

本連載をお読みの皆さんは、ビジネスシーンやご家族とのかかわりなどにおいて毎日を一生懸命過ごしておられると思います。一生懸命に毎日を過ごすことは、もちろんとても大切なことです。

しかし、せっかく頑張るのなら、というよりは、せっかく頑張っているからこそ、自分でその実感を得ることも重要です。場合によっては、人生のステージが上がらず、下がってしまったという経験もあったかもしれません。それも含めて、1年間の自分の総決算をすることで、来る年の新たな目標が見えてくるのです。私の知る、一流の経営者やリーダーの多くは、形は違えども、10大ニュースづくりのような振り返りの時間を設けています。

私は社員12人の小さな経営コンサルティング会社の代表ですが、ときどき社員が帰宅する際にこんなふうに声をかけます。

▼1日の進歩は0.01歩でも365日積み重ねれば……

「『今日一日、一生懸命働いたか』、『0.01歩でも進歩しているか』。この2つを自分に問いかけて、反省してから帰ってください」

たとえ0.01歩でも、それが1年(365日)、10年……と続くことで、大きな一歩となります。自分の“足跡”を1日ごと、1カ月ごと、1年ごとに振り返る習慣をつけると、人生は確実にステージアップすると思うのです。

私はディスカヴァー・トゥエンティワンから、毎年、『小宮一慶のビジネスマン手帳』を出しています。この2018年版には、新たに「自分の10大ニュース」を書く欄を設けました。2018年をどんな1年にできるかは、この12月のすごし方にかかっています。ぜひ活用してみてください。

(小宮コンサルタンツ代表取締役会長CEO 小宮 一慶)

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