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"トランプのアメリカ"は混乱のさなかだ

プレジデントオンライン / 2018年4月15日 11時15分

AFLO=写真

■「トランプの四面楚歌状態は続いている」

トランプ米大統領が誕生して1年余り。米国内やホワイトハウス(WH)は混乱のさなかだ。

「米国は今や分裂した“内戦状態”。米国人100人中、政権への賛同者は30人程度。トランプの四面楚歌状態は続いています」――著者は米国在住のジャーナリスト。本書でそんな米国の「今」を、トランプを軸にリポートしている。

「米国の大統領はこんな下品で、無教養で、差別主義者で、女たらしでスケベな男がなるポストではない、という国家の大前提をめぐる激しい対立が継続中です」(著者、以下同)

米国はまだまだキリスト教の国。そこに由来する人道主義、貧者救済の精神の根強さは、日本の比ではないという。

「日本の大手メディアの記者諸兄に、こうした米国社会のエッセンスを理解する人たちがいるのか疑問。トランプのインチキ性や朝令暮改的な発言、人品骨柄について、英国やフランスのメディアのようにバシバシと書くべきです」

そんなトランプをWHに送り込んだのは反オバマ(前大統領)、白人至上主義、反非白人・反非白人移民主義、反エリート主義を標榜する大衆迎合主義=ポピュリズムだ。

「とにかくオバマが大嫌いだった白人のバックラッシュ。黒人がWHを占拠していることに耐えられない人種差別観と、オバマを担ぎ出して当選させた東部、西部のエスタブリッシュメント(既成勢力)に対する反発です」

このあたり、旧民主党政権へのバックラッシュにも押し上げられた安倍政権と重ね合わせることもできそうだ。

■トランプ氏は何をやりだすかわからない

その安倍政権の“半永久化”を促す一因が、核ミサイル開発をやめない北朝鮮である。トランプ氏はその対応について強硬姿勢を発信し続けているが、著者の信用するワシントンの希少なインサイダーによれば、「1月末時点でWH、国防総省、国務省の間に溝ができている」という。

「ティラーソン国務長官がマティス国防長官に、WHの国家安全保障会議(NSC)主催の会議が多すぎると苦言を呈したと聞いている。つまり会議を重ねるほど、過度に攻撃的な選択肢ばかりが論議されてしまい、このままではトランプ氏が何をやりだすかわからない、というわけです」

マティス氏の考えも同じだが、有事への備えは着々と進めているとか。その帰趨を見極めるためにも、著者には引き続き発信を継続してほしいところだ。

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高濱 賛(たかはま・たとう)
在米ジャーナリスト、米パシフィック・リサーチ・インスティチュート所長。1941年、東京都生まれ。65年米カリフォルニア大学バークレイ校卒業、67年読売新聞社入社。ワシントン特派員等を経て同社調査研究本部主任研究員。著書に『誤報と盗作』ほか。

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(プレジデント編集部 西川 修一 写真=AFLO)

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