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英語公用語化の最大効果は会議時間の短縮

プレジデントオンライン / 2018年6月20日 9時15分

写真=iStock.com/Gearstd

プレジデント誌の好評連載「悩み事の出口」。ライフネット生命の創業者で、立命館アジア太平洋大学学長の出口治明さんが、読者の悩みに答えます。今回のお題は「年の離れた上司と共通の話題がありません」。出口さんは「喜んでください」といいます――。

■Q:父親ほど年の離れた上司と共通の話題がありません

「共通の話題がないとなぜ困るのですか?」と逆に質問したい。

職場は仕事をするために行く場所で、世間話をする場所ではありません。たとえば出版社勤務で同じ部署であれば、「単行本は月に何冊出せばいいですか」「あのベストセラーは読みましたか」とか、いくらでも仕事に関わる共通の話題があるはずです。

むしろ、純粋に仕事のことだけ考えて話を進められると思えばラッキーではないでしょうか。

――雑談する必要はない?

職場では仕事が第一です。仕事以外のことに気を揉むべきではありません。そうでなくても「日本は労働生産性が低い」と言われているのですから。

面白い話があります。ある企業の会議時間が3分の1程度に激減したというのです。その企業は「英語を公用語にする」と決めた。

すると、昔は延々と自分の成功体験や人生観を話していた社員が会議で必要なこと以外は話さなくなった。英語ができないからです。「英語公用語化の一番の効果は、会議時間の短縮だった」と。このことは真理を含んでいます。

■チョー・ヨンピルを一晩で5回も歌った理由

――でも、上司からは「面白いヤツ」だと思われたほうが仕事も円滑に進みそうです。出口さんも共通の話題で盛り上がれる部下のほうがかわいいと思いますよね?

そういう上司はグローバルに対応できませんよ。たとえば自分と同じキリスト教徒、イスラム教徒でなければかわいくないというのは、マネジャーとして失格ですから。

それでも上司にかわいがってほしければ、上司が好きな懐メロを覚えて歌ってみてはどうでしょう。もちろん僕なら、そんなことより自分が好きなことに時間を使いますが。

――うちの会社でも営業部の人たちはバブル時代の曲をわざわざカラオケで練習していると聞いたことがあります。

そういえば僕も30歳の頃、上司から飲みにいこうと誘われて、カラオケにいったことがあります。それで「ちょっと歌ってみろ」と言うので、自分が好きな曲を歌うとひどく呆れられました。「そんな曲を歌っているようでは営業できないぞ。俺が手本を見せてやる」と。

確かそのときに教えてもらったのが、チョー・ヨンピルの「想いで迷子」。それで僕が歌うと「下手や。もう1回やり直し」とか言われて、結局、その曲を一晩で5回ほど繰り返し歌わされて覚えた記憶があります。

――5回も歌ったんですか。しっかり出口さんもやっているじゃないですか……。

たまたまです。共通の話題がなくても「デキる部下」と思われたほうがいいと思いますよ。

Answer:「無駄なバカ話をする必要がない」と、喜んでください

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出口治明(でぐち・はるあき)
立命館アジア太平洋大学(APU)学長
1948年、三重県生まれ。京都大学卒業。日本生命ロンドン現地法人社長・国際業務部長。ライフネット生命社長・会長を経て現職。
 

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(立命館アジア太平洋大学(APU)学長 出口 治明 構成=八村晃代 撮影=市来朋久 写真=iStock.com)

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