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"学費年1000万"海外全寮制スクール実態

プレジデントオンライン / 2018年5月11日 9時15分

子供を「上流ロード」に乗せるには、なにが有効なのか。「プレジデント」(2017年2月13日号)では、子育てをめぐる13のテーマについて識者にアドバイスを求めました。第5回のテーマは「学歴」です――。

■海外のボーディングスクールにわが子を放り込む

これまで多くの富裕層が「子供は東大か京大へ」と願ってきました。しかし近年、そのゴールは国内にとどまらず、アメリカなら「アイビーリーグ」、イギリスなら「オックスブリッジ」といった海外の名門大学にまで広がっているのです。

そうなると中学・高校は、アメリカなら「10スクール」、イギリスなら「ザ・ナイン」と呼ばれるトップ校を目指そうとなります。あるいは世界的な大富豪や超大物の財界人、政治家、芸術家、王族の子供たちとの人脈づくりにも期待して、スイスの名門校を目指す人もいます。

その時点である程度の英語力を求められることもありますので、「中学を卒業して海外へ行くのでは遅い」という認識が広まりました。小学校低学年から準備を始め、小学生のうちから海外のボーディングスクール(全寮制の寄宿学校)に子供を預ける富裕層も珍しくありません。

では、富裕層の子供たちがなぜ海外を目指すのかといえば、「英語力を身につけさせたい」という親御さんの意向が大きいといえます。ビジネスの舞台で英語が話せず苦労をした経験がある親御さんならなおさらです。日常英会話にとどまらず、ディベートや交渉ごとまで英語を使えるようになるには、やはり日本にいるより海外でと考えているのではないでしょうか。

もし、中高生の年代で有名なボーディングスクールに入れれば、そこには世界中から富裕層の子供たちが集まってきます。宗教観も価値観もまったく違う相手とうまく付き合わなければいけませんので、コミュニケーション能力、折衝力、自己解決能力が磨かれ、自然にグローバル能力が養われるわけです。

しかも将来、世界中の各地で活躍するエリートや、国や地域を背負うことになるであろう子供たちと強固なネットワークが築けます。ビジネスにおいても、プライベートにおいても、これほど心強い財産はないでしょう。

■「英語力と人脈、自立心、判断力を身につけてほしい」

見方を変えれば、富裕層はアイビーリーグやオックスブリッジに価値を見出す以上に、中高生時代に有名ボーディングスクールで過ごすことに価値を見出しているのかもしれません。

子供を後継ぎに考えている企業経営者の方などは「大学はどこでもいい。英語力と人脈、自立心、判断力を身につけてほしい」と明言する方が少なくありません。あるお医者さんは「医師にならなくてもいい。日本にはない、いろいろな選択肢があることを知り、体験してきてほしい」と打ち明けてくれました。

実際、ボーディングスクールではさまざまな選択肢が提供されます。授業は詰め込みではなく考えさせ、議論させる教育。放課後の部活も一年中同じスポーツや芸術に取り組むのではなく、季節や学期ごとに、新たな分野にチャレンジ可能です。

もちろん、ボーディングスクールはお金がかかります。年間600万円から1000万円は必要です。しかし、ホームステイに比べ部屋や食事、環境など一定以上のケアが行き届いています。週末も寮が提供するアクティビティーが多彩で、遠足やスポーツの試合に参加したりと、充実した時間を過ごせます。安心して子供を預けられるのです。

さまざまな選択肢が提供され、経験し、その先に自然とゴールが見えてくる。しかも英語力という武器も身につく――そこが、海外留学が富裕層に支持されている最大のポイントです。

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早期の海外留学で、さまざまな選択肢を経験できる

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河村 尚(かわむら・なお)
アルク留学センターシニアマネージャー
国内の大学を卒業後、旅行会社勤務、カナダ留学を経て2008年よりアルク勤務。海外留学を志す多くの小中高生のカウンセリングを担当。
 

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(アルク留学センターシニアマネージャー 河村 尚 構成=小澤啓司 撮影=石橋素幸)

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