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親の自宅介護を"休職制度で乗り切る"方法

プレジデントオンライン / 2018年5月13日 11時15分

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Q.法改正でどう変わる? 会社の休職制度で乗り切る方法は?

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会社員は、通称「育児・介護休業法」で、家族介護のために多様な支援が受けられます。この法律が一部改正され、2017年1月1日から従来は1人の家族について通算93日まで1回だけ取得できた「介護休業」は、3回までの分割が可能に、年5日間の「介護休暇」は、半日単位で取得可能となりました。

使い勝手がよくなったからといって、自分の手で家族を介護しようとは思わないことです。介護は先が見えず、有休や休業をフル利用しても賄いきれる保証はないからです。会社を辞めれば解決できるわけでもありません。介護はお金がかかります。貯金も底をつき、共倒れしたケースを多く見てきました。ではどうすればいいのか。

「介護はマネジメントする」と発想を変えることです。介護では、最初から寝たきりになることは、まずありません。軽度のうちは、素人が仕事を休んで傍についているより、プロのほうが、介護される側も快適というものです。まずは介護保険サービスでプロの手を借り、快適な介護環境を整備するために、介護休業や介護休暇を活用する――仕事で鍛えたマネジメントスキルを発揮するときです。

3回まで分割取得できるようになった介護休業は、次のような使い方をイメージしてみましょう。まず1回目は、最初に介護が必要になったタイミングで、自宅介護の体制づくりに充てる。2回目は、体調や状態変化などで、介護体制の組み替えが必要になったとき。例えば、入院や介護施設探しが必要になったときなど。3回目は、看取りのタイミングです。悔いを残さないように、このときはできるだけ休みを取って、付き添いましょう。そのためにも、初めから頑張りすぎず、余力を残しておくことが肝心です。

年5日取得できる介護休暇は、通院の付き添いや、ケアマネジャーとの面談などに便利です。半日単位で取得可能となった改正をうまく活用しましょう。

ところで、自社の介護支援制度をご存じですか? 介護休業や介護休暇は、法律では無給ですが、企業によっては一部有給、取得期間も延長や、取得条件を緩和している企業もあります。今回の法改正で、自社制度の見直しを進めているところも多いので、まずは確認を!

家族ケアという点で、介護休業と育児休業は似ています。しかし、周囲が予期してくれる出産育児とは異なり、介護は自分から言わない限り、周りは気づいてくれません。仕事のパフォーマンスを維持するためにも、会社では介護を隠さず、協力を仰ぎましょう。もしも直属の上司に理解のないときは、労務や人事などにも相談し、決して1人で抱え込まないこと。

社員の平均年齢が40代を超えた企業では、仕事と介護の両立支援は急務です。介護は、多様な働き方を目指す糸口。そのロールモデルとなりましょう。

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会社を辞めては親子共倒れ! プロ活用&マネジメントに注力

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おちとよこ
医療福祉ジャーナリスト、高齢者問題研究家

高齢者介護、医療、福祉などに関するテーマを中心に活躍。『入院・介護SOS』『年金世代の介護よろずお悩み相談』など著書多数。

 

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(医療福祉ジャーナリスト、高齢者問題研究家 おち とよこ 構成=大井明子 撮影=長野奈々子)

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