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使える"接待費"は役職でどう差があるか

プレジデントオンライン / 2018年6月30日 11時15分

会社の経理部員や人事部員たちは、何を考え、どこを見ているのか。お金の問題を甘く見ていると、「想定外」の落とし穴に落ちることもある。「プレジデント」(2018年3月19日号)では、11のテーマについて識者にポイントを聞いた。第6回は「接待で使えるお金」について――。

■「差し入れ」なら、数千円以内で収まる

近年、接待が減ったのには、いくつか理由がある。大きいのは働き方改革の影響。接待が残業か否かを問う若い世代の意識の変化、また、夜の急な接待は、共働きや子育て、親の介護などを抱える人たちにも負担だ。健康志向の経営者が増えたうえ、そもそも接待とは無縁できた世代も管理職に上がってきている。

とはいえ、夜の接待がまったくなくなったわけではない。接待を重視する経営者は今も多い。ただし、経営者は社員が使う接待費の「使い方」を気にする。結果が伴わなければ、単なる無駄な出費にほかならない。

これらの要因を照らし合わせ、今の時代に合う方法を考えると、接待費と会議費を上手く使い分けるのが得策だ。まずは、接待費と会議費の違いを把握すること。例えば得意先との飲食代で、目安として1人5000円を超えるのが損金不算入の対象となる(会社の法人税が上がる)接待費、5000円以下なら対象とはならない会議費として会計処理される。たとえば、会議や打ち合わせの弁当やランチ(5000円以下)なら、会社が嬉しい会議費として処理できる。

だから管理職未満の担当者(課長、担当課長、係長、主任、マネジャー等)であれば、会議費水準に抑えるといいだろう。朝活やランチミーティングなどにすれば、5000円以内で抑えることができるはずだ。

管理職(部長クラス)レベルなら、1人5000円から1万円の接待費を使うのが一般的。ただし、自社、相手先の接待参加メンバーが上司あるいは部下を帯同する場合もあるので、その際は臨機応変に金額が上下する。

役員以上の場合「いくらでも使える」を“直訳”する人もいるので、社内ルールで上限は決めておいたほうがよい。

もう1つアドバイスするなら「差し入れ」を上手く使うこと。差し入れは贈答ゆえ、価格を問わず損金不算入の交際費となるが、最近は差し入れ文化のほうが幅広い世代に受け入れられやすい。○○様からです、とメモがあればより多くの人に社名を知ってもらえる。飲食物なら数千円以内に収まるものがほとんどだし、少額の出費で相手先と良好な関係が築ければ、上司からもいい評価が得られる。

(左)束田勝広=撮影 (右)PIXTA=写真

差し入れにもちょっとした気づかいが必要だ。例えば、包丁や皿が必要な菓子などは取り分けにひと手間かかるので、小分けしてあり、賞味期限が長めのもののほうが相手には喜ばれる。起業した会社への差し入れなら、引っ越し等を考慮し実利的なものがベスト。起業して間もない頃は足りないものが多々あるからだ。家電量販店の商品券やカタログギフトがいいだろう。

「差し入れのセンス=その人の気づかいや仕事のセンス」と思っている人も多い。じんわりと接待の効果は表れるのである。双方の会社と自分の“三方よし”となる接待費の使い方を工夫してみる価値はあろう。

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前田康二郎
流創社長
経営コンサルタント。1973年生まれ。学習院大学経済学部卒。民間企業の経理・IPO業務を中心とした管理業務等を経て2011年独立。新著に『経営を強くする戦略経理』。

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(流創社長 前田 康二郎 構成=篠原克周 撮影=石橋素幸、束田勝広 写真=PIXTA)

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