7割の人は「外見だけ」で相手を判断する

プレジデントオンライン / 2018年6月14日 9時15分

写真=iStock.com/Ivan-balvan

仕事で大きな成果を上げるにはどうすればいいか。自己研鑽や技術習得には時間がかかりますが、最短で結果を出す方法があります。髪型、眼鏡、衣服、持ち物といった「外見」を変えるのです。イメージコンサルタントとして3000人以上の“目標達成”をサポートしてきた川園樹氏が、その秘訣を解説します――。

※本稿は、川園樹『未来を変える「外見戦略」』(KADOKAWA)の一部を抜粋・再編集したものです。

■外見を変えれば目標がかなう理由

「外見が変われば、未来が変わる」

こう言われたら、どう思いますか?

「外見を変えるだけで未来が変わるのなら、誰も苦労しない」
「もし未来が変わるとしても、それには驚くような費用がかかるに違いない」

そんな風に思われるかもしれません。しかし、「外見を変えることで、未来が変わる」ということは実証されています。そして、それには驚くような費用がかかるわけでもありません。

外見を変えることで、外見から発信される「情報」が変わり、それによって周囲の人たちからの判断や推測が変わり、評価や感情が変わり、それが劇的な成果につながるからです。私たちの未来は、「周囲からどのように考えられ、どのように感じられるのか」によって決まる部分が大きい。

つまり、望む成果や未来を手に入れるためには、周囲の方々からそれを実現できるような評価や感情を得る必要があり、それらを外見から発信される「情報」により伝えていけばいいのです。

外見から発信される「情報」にはなぜ大きな影響力があるのでしょうか。それは、人間の脳の情報処理の多くは視覚が担っており、脳が受信する情報の8割以上が目からの情報だとされているからです。

私は、イメージコンサルタントとして10年間、国政選挙から海外の要人、上場企業経営者、芸能人、スポーツ選手、起業家など、3000人以上の方々の外見を変え、それぞれの方が望む未来を獲得し、望む機会を創出し、たどり着きたい場所に行けるようサポートしてきました。その一例として、ある有名なアメリカ大統領選挙を例題に見ていきましょう。

■外見で大統領さえも決まる

アメリカの科学誌『Science』に発表された、プリンストン大学の心理学者アレクサンダー・トドロフ博士らの研究によると、選挙では、有権者が候補者の外見から能力を判断して投票していることが分かりました。

博士らは、2000年、2002年、2004年に行われた、米上下両院の選挙候補者2人の写真をペアにして被験者に見せ、「どちらが有能な政治家か」という判断をさせました。被験者が写真の候補者を知っている場合には、知らない候補者のペアに変えて行いました。つまり、この実験の被験者は、「見た目」のみから候補者の有能さを判断したことになります。

そして、被験者の回答結果と、実際に行われた選挙の当選結果を比べてみたところ、2000年の選挙では73.3%、2002年は72.7%、2004年は68.8%という、高い割合で被験者に「見た目が有能そう」と判断された人が当選していました。

もちろん、選挙の当選者が必ずしも有能という訳ではありませんが、これは、いかに「見た目のイメージ」が大切かということが分かる実験でもあります。

国の代表を選ぶ大統領選でさえ、人は外見で判断し選んでいます。わかりやすい例として、有名な1960年の米大統領選挙時のテレビ討論を引用させていただきます。

民主党のジョン・F・ケネディ候補、共和党のリチャード・ニクソン候補が激しい選挙戦を繰り広げていました。世論調査ではニクソン候補がケネディ候補をわずかにリードしていました。ニクソン候補は8年間の副大統領経験があり、政治家としてのキャリアも長く、演説も巧みでした。一方、ケネディ候補は当時、年齢が若く政治経験も少ないため、多くの政治評論家はニクソン候補の勝利を確信していました。

しかし、このテレビ討論で流れが一変しました。ラジオで聴いていた人々は、ニクソン候補が討論に勝利したと思っていましたが、8000万人が視聴したテレビ討論では、視聴者の多くがケネディ候補の勝利を確信し、事実ケネディ候補が選挙に勝利したのです。

ケネディ大統領誕生の裏側にはケネディ陣営の明確な「外見戦略」がありました。一方、ニクソン陣営は、討論内容には力を入れましたが、「外見戦略」を怠っていたのです。

■ケネディの「外見戦略」

下図がテレビ討論放映時のイラストです。

どちらに、よりリーダーシップを感じますか? また、ハツラツとした印象、パワーを感じますか? そして、明るい未来を感じますか? それは、どのようなところから感じましたか?

このテレビ討論の模様をぜひ、動画でもご覧になってみてください。

歩き方から姿勢、表情、握手の仕方、反論のタイミングに至るまで、ケネディ候補の「ハツラツとした若いリーダー像」と、ニクソン候補の「顔色が悪く余裕がない、昔気質の政治家像」との対比が、鮮明にお分かりになることでしょう。

2人の外見の違いについて、いくつかのポイントから比較してみましょう。

■「スーツとシャツ」で周囲とのコントラストを生み存在感を出す!

(1)服装

【ケネディ候補】
濃紺のスーツ、薄水色のシャツ、赤と青のストライプのネクタイ、ポケットチーフ。
体型にフィットしたスーツ。

【ニクソン候補】
グレーのスーツ、白のシャツ、単色で薄めのカラーのネクタイ。
体型にフィットしないブカブカのスーツ。

まず色に関してですが、ケネディ候補のスーツは、濃い色でダイナミックさや堂々とした印象を与え、一方、ニクソン候補のスーツは、薄い色で弱さや控えめな印象を与えます。また、ケネディ候補の濃い色のスーツと薄い色のシャツはコントラストが強く、生き生きとした強烈な印象を与えています。

一方で、ニクソン候補の薄い色のスーツと薄い色の白シャツはコントラストが弱く、控えめでぼんやりとした印象を与えます。特に白黒画像では濃い色、薄い色のコントラストは際立ちます。

そして、背景とのバランスを考えることも大切です。例えば、プロフィール写真の撮影時やテレビなどの出演時は、背景の色や要素とのバランスを考えて、同化しないようにコントラストを強調するようにすることで、本人の存在感や表情、発言の情報を強めることができます。

次にサイズに関してですが、ケネディ候補は体型にフィットしたスーツを着用していることで、自身をきちんとコントロールしているように見え、主張が強く伝わり、存在感も増し、力強い印象になります。

一方、ニクソン候補は体型にフィットしないブカブカのスーツを着用していることで、スーツに自身をコントロールされているように見え、主張の伝わり方が弱く、全体的に弱々しい印象になります。

最後にVゾーンを見てみると、ケネディ候補は、2つボタンのジャケットの前ボタンを外し、胸元、Vゾーンがたくさん見えているので、隠し事がなく正直で、自信がある印象を与えています。一方、ニクソン候補は、前ボタンを留め、胸元、Vゾーンの開きが少ないので、保身的で経験が浅く、自信がないような印象を与えます。

例えば、リクルートスーツなどは前ボタンの位置が高く、Vゾーンがあまり見えないので、初々しさや従順な印象を与えます。

またご年配の政治家の方や経営者の方に多く見られるのですが、前ボタンの位置が低すぎたり、ブカブカのジャケットの前を開けたままだったりするのは、Vゾーンの開きの面では、ある種の大物感を演出することはできますが、度がすぎると時代錯誤で融通が利かない、高圧的な印象になりますので、注意が必要です。

■「表情」でメッセージを増幅させる!

(2)顔色・表情

【ケネディ候補】
プロによるテレビ用のメイクアップを施し、健康的に見える。
笑顔が多く、終始表情が豊か。

【ニクソン候補】
プロによるテレビ用のメイクアップを拒否したため顔色が悪く見える。
笑顔は少なく、終始表情が硬い。

顔色や表情を見てみると、ケネディ候補は、顔色がよく、表情が明るいので、言葉のメッセージも明るく伝わります。

一方、ニクソン候補は、顔色が悪く、表情が暗いので、言葉のメッセージも暗く伝わります。たとえ、どんなに明るいメッセージであったとしても、言葉通り明るくは伝わりにくくなります。

■「姿勢」で言葉の信頼感を強くする!

(3)立ち居振る舞い

【ケネディ候補】
背筋をピンと伸ばして、堂々と立っている。
座っている姿勢も良く、終始落ち着いた動き。

【ニクソン候補】
背筋が曲がり、演説台に寄りかかっている。
座っている姿勢は悪く、終始落ち着かない動き。

立ち居振る舞いでは、ケネディ候補は、背筋を伸ばし、堂々とすることで、言葉の信頼性が増し、メッセージが力強く伝わります。

一方、ニクソン候補は、背筋が曲がり、体の軸が曲がっていることで、自信のなさや不安があるのではないかと感じさせ、言葉に疑いが入りやすくなりメッセージが弱く伝わります。なお、ニクソン候補が演説台に寄りかかっていたのは膝をけがしていたためであり、頻繁に汗を拭いていたのは、ハードなキャンペーンをこなしていたため体調不良であったので、大量の汗をかいていたというのが理由でした。

演説や実績には絶対的な自信があり、それらの振る舞いは決して「自信がない」「焦りがある」ということではなかったのですが、見ている人への印象としてはそのように伝わってしまいました。

人は「事実であるかどうか」ということ以上に、「どのように見えているか」ということによって心が動き、大きな決断をするということが分かります。このように、テレビが普及して初めての大統領選挙でケネディ候補を大逆転勝利に導いた理由は、緻密な「外見戦略」にあったのです。

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川園樹(かわぞの・いつき)
国際イメージコンサルタント。明治大学法学部卒業後、富士通株式会社で営業戦略を担当。退職後、Image Resource Center of New York認定スクールで国際基準のイメージコンサルティングの手法と実践を学ぶ。アメリカにてAICI(国際イメージコンサルタント協会)の国際イメージコンサルタント資格を取得。帰国後、海外の要人や政治家、上場企業経営者、文化人やスポーツ選手、起業家など3000人以上のイメージコンサルティングを担当。成果を出すコンサルティングに定評があり、個別コンサルティングはキャンセル待ちが続いている。

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(国際イメージコンサルタント 川園 樹 写真=iStock.com)

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